8日、日本教育会館で開かれた「外国人人権法連絡会」結成記念集会(撮影:佐谷恭)

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外国人らの人権を保障する法律の制定を目指す「外国人人権法連絡会」が8日結成され、東京都千代田区の日本教育会館で結成記念集会が開かれた。

 同連絡会は、弁護士やNGO(非政府組織)関係者らのネットワーク。多民族・多文化共生社会の実現のため、「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」と「人種差別撤廃法」を制定し、人権を侵害された人を法的に救済するため、政府から独立した「国内人権機関」の設立を目指す。共同代表には、龍谷大学の田中宏教授、丹羽雅雄弁護士、移住労働者と連帯する全国ネットワークの渡辺英俊共同代表が就任した。

 同連絡会の具体的な活動は、◆関係NGOと弁護士、市民らのネットワークを構築◆年1回『外国人・民族的少数者に関する人権白書』を発行◆外国人らのインタビューをまとめたビデオの作成◆地域レベル、国際レベルでのシンポジウムの開催◆国や自治体への、市民法案、市民条例案の提出―など。

 外登法と取り組む全国キリスト教連絡協議会の佐藤信行さんは、連絡会結成の基調報告で「戦後日本の外国人法制度は、外国人を徹底的に“管理”する目的で運用されてきた。法制度には明文化されていない“当然の法理”や、一般では知りようのない“行政マニュアル”などにより、恣意的に運用され、圧倒的多数の“無関心”の下に作られ、維持されてきた」と現状を分析。連絡会の結成で、それぞれが活動を続け、それをネットワーク化することの意義を訴えた。

 反差別国際運動日本委員会の武者小路公秀理事長は「多文化共生と言うとき、“日本人”マジョリティーの利益になる限りで“外国人”を受け入れ、搾取する不平等な共生を正当化する側面が強い。森元首相が、ITの専門家をインドから受け入れようという一方で、日本は“神の国”と言うのがそのいい例だ。共生は違いを認めることから始まる。」と話した。

 現在、国内には、外国人が200万人以上、外国にルーツを持つ日本国籍の民族的マイノリティが50万人以上住んでいるという。【了】

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