やっと酷暑が去ったと思ったら、雨模様の日が続いたり、寒暖の差が激しかったり、体の負担が大きい今日このごろ。そんなこともあってか、周りで風邪ひきさんを見かけませんか? あるいは、もう自分が風邪をひいていたりして……。
こんなとき、鼻水や咳、くしゃみ、熱、頭痛など、不快な症状を少しでも早く和らげたくて、ついつい市販の風邪薬を服用したり、病院で処方薬をもらったりしていませんか。

じつは、医師に言わせると、風邪薬は百害あって一利なし、デメリットのほうが多いんだそうです!
風邪で鼻水や咳、熱が出るのは自然なこと。“治ろう”とする生体反応を体が起こしているんです。ところが、風邪の症状を抑える風邪薬を飲むと、治ろうとする体の働きを邪魔することになり、治癒を遅らせるだけなのだとか。
また、風邪をひいたときに、抗生物質を処方してもらう人もいますが、これもまったく無意味。なぜなら、ウイルスが原因となる風邪に抗生物質は効かないのです。

そもそも、風邪を根本的に治療する特効薬は、残念ながら存在しないのです。風邪薬を飲まなくても、安静にしていれば風邪は自然に治ってしまいます。

じゃあ、なぜ病院では、風邪薬や抗生物質を処方したり、薬局ではあたかも風邪に効くかのように風邪薬を売ったりするの?と疑問がわいてきませんか?

どうやら、世の中には、飲まなくてもいい薬、さらには受けなくていい治療や手術、検査がいろいろとあるようです。そんな日本の医療の実態を現役医師たちが赤裸々に語った『医者が受けない「治療」最新版』が発売されました。

TJ MOOK『医者が受けない「治療」最新版』

今、一番関心の高い病気といえば、日本国民の2人に1人がかかるといわれている“がん”でしょう。本書では、がんについても、無駄な検査や手術、治療が多々あることを指摘しています。

たとえば、「早期発見」が重要といわれ、さまざまながんの検査が推奨されていますが、そこには驚くべき事実が!「がん検診を受けないグループのほうが、定期的に受けるグループよりも長寿なのである」(『医者が受けない「治療」最新版』P.6より)。
また、肺がん検診では、レントゲン撮影による検査が行われますが、「非喫煙者の場合、定期的にレントゲン撮影をすると、医療被曝のデメリットのほうが大きくなってしまいます」(『医者が受けない「治療」最新版』P.7より)

(『医者が受けない「治療」最新版』P.6から引用)

有名人の死などもあり、ひときわ注目されている乳がんに関しても、「乳がん検診はとくに過剰診断の弊害がつきまといます。放っておいても問題のない小さな変化を乳がんと診断して、ありとあらゆる治療が行われているのが現状です」(『医者が受けない「治療」最新版』P.8より)。
つまり、必要のない手術、抗がん剤、放射線まで多くの治療が行われることで、経済的にも肉体的・精神的にも本当ならば受けなくていい大きな負担がかかってしまうことも。本書に登場し、自らもがん検診は受けていないという新潟大学医学部名誉教授・岡田正彦医師は、乳がん検診はリスクのほうが大きいと結論づけています。

(『医者が受けない「治療」最新版』P.8から引用)

本書では、がんをはじめ、脳血管疾患や心疾患、糖尿病、高血圧などの「現役医師が受けない、受けさせない治療」、レーシック手術やインプラント手術など「やってはいけない目、耳、鼻、歯の治療」など、現役医師による最新の医療情報と自らの経験に基づいたアドバイスを紹介。適切な治療や手術を受けるために、ぜひ一読いただきたい内容となっています。

 

text:P.M.A. Tryangle

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