新作映画を劇場ではなくNetflix配信にしたワケ

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「ジェイソン・ボーン」などで知られるポール・グリーングラス(63歳)は、新作映画「22ジュライ」をより多くの視聴者に届けるため、劇場上映ではなくネットフリックスで配信することに決めたようだ。

グリーングラスは、2011年にノルウェーで起こった極右思想のテロリストによる連続大量殺人事件を題材にした同作を若い世代に見てもらうには、芸術表現と見なされがちな映画作品として発表するよりも、動画ストリーミングサービスの方が有効だと考えたという。

グリーングラスは若者を観客のターゲットにした理由について「移民排斥主義や民族主義への傾倒がもたらした現状にこれから対応していくのは若い人たちです」「彼らはこれからその現実に向き合い、克服していかなくてはいけないのです。ですが、私は根っからの楽観主義者です。この作品が暗く、救いのない虚無的なものだとは思いません。むしろ勇気づけられる話です」と語っている。

グリーングラスは、これまでも幅広い社会問題をテーマにした作品を手がけてきたが、「芸術表現」を使って現代社会の現象を捉えることが重要だと考えているそうで、サンデー・タイムズ・カルチャー誌に対してこう話した。

「私自身はどんなタイプの映画も好きです」
「大きなスクリーンで見るスリラー映画が好きですし、自分でもいくつも製作しました。ファンタジーやファミリー映画も楽しんで見ます」
「ですが、映画は芸術表現であり、(現代社会を映す)鏡でもあります」
「時として、現実に起こっていることを表現したり、特定の視点に偏ることなく描写することを恐れてはいけません、そうでなくてはプロパガンダになってしまうからです」
「この映画や『ユナイテッド93』で私が心掛けたのは、現実の出来事を冷静でいて、なおかつ同情的に見つめるということでした」