18勝目を挙げたカージナルスのマイルズ・マイコラス【写真:Getty Images】

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8回1失点の快投で18勝目&200投球回到達、最多勝なら「誇らしい」

 元巨人でカージナルスのマイルズ・マイコラス投手が29日(日本時間30日)、敵地シカゴでのカブス戦に先発し、8回5安打1失点と好投してナ・リーグ最多タイの18勝目(4敗)を挙げた。これで敵地では10勝無敗。特に同地区のカブスには3勝0敗、防御率1.38となった。カブス・ファンを沈黙させ、「相手チームのファンの前で好投するのはとても気持ちがいい。たまには悪者になるのも悪くないね」といたずらっぽく微笑んだ。32試合目の登板で、クオリティースタートは20試合となった。

 重圧の懸かるマウンドだった。ワイルドカードの一枠を争うドジャースージャイアンツ戦前に行われたこの試合に負ければ、その時点で、プレーオフの望みが消えていた。「6月に投げた試合で2連敗していたらチームはこの位置にはいない。今年これまでに投げた試合と同じくらい重要だと考えた」と平常心を貫いた。1回に味方守備の乱れで1点を失った後もテンポ良くアウトを重ねて、1点のリードを守り抜いた。

 昨シーズンまで3年間巨人でプレーした右腕は、今季から4年ぶりに復帰。今年の春季キャンプでは生まれ育ったジュピターでキャンプに参加し、「子供の頃に通っていた場所にこうして戻って来ることができて幸せ」と初々しく喜んでいたが、今では古豪のエースとして風格が漂う。先発陣が不振のカージナルスにおいて唯一2桁勝利をマーク。シーズン終盤までプレーオフ争いを続けたチームを引っ張ってきた。

 30歳の右腕は「捕手のヤディ(モリーナ)が打者の反応をみながらうまくゲームプランをたててくれるから助かっている。カウントに応じて変化球と速球を使い分けることができているのは彼を信頼できているからこそ。しっかりと制球することだけに集中できている」と、相棒をたたえる。投手分業制の時代にシーズン200投球回もクリア。現時点で7人しか到達していないだけに価値がある数字だ。

 ナ・リーグの最多勝争いで好投手のシャーザー(ナショナルズ)とレスター(カブス)と並び、シーズン最終日に望みをつないだ。その後の試合でドジャースが勝ち、プレーオフ進出は消滅したが、マイコラスの功績は色あせない。「シャーザーが明日投げるかもしれないけど、もしそう(最多勝獲得)なればとても誇らしい。娘に何か記念のものをつくってもらおうかな」。トレードマークになった口ひげを触りながらいたずらっぽく笑った。(Full-Count編集部)