厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第18回:サトノルークス

 毎年、高額取引で話題を集める競走馬のセリ市『セレクトセール』。2017年の1歳馬セクションでは、15頭の若駒が1億円を超える金額で取引された。

 そして、その中でもっとも高値をつけた1頭が、デビューを目前に控えている。栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎に所属するサトノルークス(牡2歳/父ディープインパクト)である。


2億7000万円の高額馬サトノルークス

 1年前のセレクトセールで落札したのは、高額の良血馬を多数所有する里見治氏。その価格は、2億7000万円(税別)だった。

 もちろん、血統は一級品だ。アイルランド生まれの母リッスンは、イギリスの重賞戦線で奮闘。GIフィリーズマイル(イギリス・芝1600m)で勝利を飾っている。

 引退後、アイルランドで繁殖牝馬となった彼女は、しばらくして日本に輸入された。サトノルークスの全姉となるタッチングスピーチ(牝/父ディープインパクト)は、3歳時にGIIローズS(阪神・芝1800m)を制覇。早々に重賞ウイナーを出した。

 タッチングスピーチは、その後もGIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)で3着、GII京都記念(京都・芝2200m)で2着になるなど、レベルの高い舞台で活躍した。

 また、サトノルークスのふたつ上の全兄ムーヴザワールド(牡4歳/父ディープインパクト)も、早くから重賞で躍動した。2歳時にGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)で3着、3歳にもGIII共同通信杯(東京・芝1800m)で3着と善戦。一時はクラシック候補にも挙げられた。

 結局、クラシックには出走できなかったものの、昨秋から年明けにかけて条件戦を連勝。その後はケガで戦列を離れているが、復帰後の活躍が期待されている。

 そんな兄姉の活躍もあって、サトノルークスに関わってきたスタッフの評価は高い。育成を担当したノーザンファーム空港牧場の高見優也氏は、春の取材でこんな感触を口にしていた。

「ディープインパクト産駒らしく、軽さのあるタイプで乗り味はいいですね。兄とはタイプが違って、背が低く、筋肉質な感じです。距離は長いほうが得意だと思います。兄も姉も晩成傾向でしたし、この馬もじっくり成長していくのはないでしょうか」

「じっくり」と言われていたサトノルークスだが、その後は順調に調整されてトレセンへ移動。9月29日の2歳新馬(阪神・芝1800m)でデビューする予定だ。

 池江厩舎のスタッフの手応えを聞くと、初陣からそれなりの走りが期待できそうな雰囲気にある。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「(サトノルークスは)調教をこなすたびに動きはよくなっていて、スタッフは『水準以上の調教内容』と話していました。さらに、『素直な気性で乗りやすく、優等生タイプ』とのこと。素質馬ぞろいの池江厩舎の中でも上位の評価で、まだ成長過程にあるとはいえ、デビュー戦から十分に勝ち負けになりそうです」 良血の高額馬ゆえ、早くから注目されてきたサトノルークス。はたして、姉や兄を超える活躍を見せて、クラシックの舞台に駒を進めることができるのか。その行方を占ううえでも、デビュー戦は見逃せない。