栄養士が伝授!コレステロールを下げたい方におすすめの食事法

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 コレステロールは細胞膜の構成成分となったり、消化吸収に必要な胆汁酸やホルモンの材料となる、カラダにとって欠かせない脂質。しかし、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールは多くなりすぎると動脈硬化の原因にもなってしまいます。今回はそんなLDLコレステロールを下げるテクニックをお伝えします。

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2種類のコレステロール

 コレステロールにはHDLコレステロールとLDLコレステロールの2つがあります。

 前者は体内で使われなかった余分なコレステロールを肝臓に運んでくれる働きをし、血液中のコレステロールの増加を抑えてくれることから善玉コレステロールと呼ばれます。そのためHDLコレステロール値が高いことは異常ではなく、むしろ低い場合に問題となります。

 これに対し増えると良くないのが、肝臓でできたコレステロールを全身に運ぶ役割をする悪玉と呼ばれるLDLコレステロールです。

コレステロールが高くなる原因

 血液中のLDLコレステロールの値が140mg/dlを超えると高LDLコレステロール血症と判断されます。

 この高LDLコレステロール血症となる主な原因は、欧米型の食事や運動不足、体重増加など生活習慣によるもので、成人以降に発症します。(※1)

 これとは異なり家族性高コレステロール血症という遺伝により若い時からLDLコレステロール値が高くなるものもあります。(※2)

高コレステロールのリスク

 コレステロールと共に耳にする機会が多いのが動脈硬化というワードです。高コレステロールが持つ最大のリスクはこの動脈硬化を誘発するところにあります。

 LDLコレステロール値が高いと血液中は脂質の多い状態となるため、その余分な脂肪が血管の壁に付着しプラークと呼ばれる塊ができていきます。

 しかしプラークは柔らかく、破れてしまうことがあります。その際、破れたプラークを修復するために血液中の血小板がそれを塞ごうとそこへ付着し血栓となります。そうして血管壁の塊はどんどんと大きくなり血管は詰まりやすい状態に。この状態を動脈硬化といいます。(※1)

動脈硬化が起こると
動脈硬化が起こり血管が詰まった場合、それが脳で起これば脳梗塞、心臓で起これば心筋梗塞といったように日本人の死因の上位を占める疾病へと繋がります。

そんな動脈硬化を起こさせないために、まずはプラークが作られないよう血液中のLDLコレステロールは高くなりすぎないことが望まれます。

LDLコレステロールを下げる食事のポイント4つ

 そんなLDLコレステロールの上昇を防ぐため、また下げるためには食事からとる脂質に注意が必要です。

1.飽和脂肪酸を控える
食事からとる脂質の中にはLDLコレステロール値をあげる脂があります。それが飽和脂肪酸といい、肉類やベーコン・ハムなどの加工品、脂肪分の多い乳製品に多く含まれています。そのため肉を食べる際は脂肪の多いバラやロースは控え、ヒレやモモなどの赤身を選ぶようにまずは心がけましょう。

2.不飽和脂肪酸を積極的に摂る
その反対に、LDLコレステロール値を低下させる効果があるといわれているのが不飽和脂肪酸という油。これは魚類や、オリーブオイル・亜麻仁油・チアシードなどの植物油に多く含まれます。

3.トランス脂肪酸との付き合い方
トランス脂肪酸は植物油を加工した際に得られる脂肪酸。これも大量に摂るとLDLコレステロールを増やすと言われており、多く含む食材としてはマーガリンやショートニングなどがその代表的な存在です。
これらの脂は自分で買うことや使うことを控えていても、市販されている洋菓子などに大量に使われていることがあるため、スイーツ好きの人には注意が必要です。

4.食物繊維が味方に!
LDLコレステロールの上昇を抑えるものとして食物繊維にもその効果が期待されています。野菜やきのこ、海藻類も食事と合わせて積極的にとり入れるようにしましょう。(※3)

 長生きのためにはコレステロールの値に気をつけていくことが重要です。定期的な健診と普段の食事に気をつけ、LDLコレステロール値を上げない生活を心がけましょう!

【参考・参照】
(※1)国立循環器病研究センター「脂質異常症と言われたら?」
(※2)同上より「家族性高コレステロール血症[Familial Hypercholesterolemia(FH)]」
(※3)一般社会法人日本動脈硬化学会「コレステロール摂取に関するQ&A」

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[文:あすけん 管理栄養士]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。