堂安(21番)、南野、中島の3人は高い連動性で相手を崩していた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 森保ジャパンがコスタリカに3-0で快勝し、A代表としての船出、そしてカタール・ワールドカップへの船出を爽やかに飾りました。
 
 森保監督は初陣で、代名詞とも言える3-4-3ではなく、ロシア・ワールドカップの西野ジャパンを踏襲するような4-4-2(4-2-3-1)の布陣を選びました。これにより、今回招集されたメンバーは森保監督の求める3バックを経験せずに解散となりました。1月のアジアカップまで、時間は限られています。3-4-3で試合をさせないことのデメリットも頭に浮かんだと思いますが、それよりも選手たちが慣れ親しんだシステムとやり方で挑み、まずは個々の特徴を出しやすい環境を与えたかったのかなと想像します。当分は、3-4-3と4-4-2をどちらも使いながらチームを作っていくことになるでしょう。
 
 一方のコスタリカ代表は、2014年のブラジル・ワールドカップでベスト8に進出した時から一貫してきた5-4-1ではなく、5-3-2のシステムを選択しました。4日前の韓国戦では4-4-2を試していましたが、ここでも新たなシステムを採用し、4年間を見据えたテストの意味合いが強い試合であることをうかがわせました。メンバー構成も、日本同様これまでの主力を呼ばずに若手を多く連れてきたこともあり、決して整備されたチームではありませんでした。特に、守備面において、5-3-2となる場合に必ず押さえておかなければいけない中盤のスペースの埋め方もほとんど落とし込まれないままで、システムに人を並べて“ぶっつけ”で試合に挑んできたように見えました。
 
 そうなると、必然的に慣れ親しんだシステムを採用している日本代表に分があることは明白です。この日のメンバーでは選手の質においても上回っていた日本が優位に試合を進めたのは当然だったと思います。
 
 スタメンの並びから、注目されたのはやはり小林悠選手の下に位置した堂安選手、南野選手、中島選手の3人。日本全体の期待を背負う3人のアタッカーは、その期待を受けるべき存在であることをコスタリカ戦で改めて示しました。彼らのゴールに向かう動き出しや姿勢がチームにスピード感をもたらし、これまでの日本代表とはまた違う色の攻撃を見せてくれました。
 
 森保ジャパンの船出に爽やかな印象を残したのは、彼ら3人によるところが大きいと思います。2点目の南野選手のゴールシーンでも見られましたが、中島選手がボールをもってゴールに向かうと、必ず中央から南野選手が、逆サイドから堂安選手がゴールに向かって走り出していました。それにより、小林選手を含めた3人がペナルティエリア内に詰める形となり、2点目ではその動きで生まれたスペースを遠藤選手が突いて南野選手につなげました。
 
 2点目以外でも同様の動きは再現性が高かったので、もしかしたら森保監督がこの1週間で落とし込んだチームの狙いのひとつなのかもしれません。ボールを持った選手も、周りにいる選手も、みんながゴールに向かう姿勢が見え、これがひとつの森保ジャパンの色になっていく気がしました。
 
 前線の選手たちのゴールに向かう動きを影で操っていたのが、キャプテンを任された青山選手です。決して目立ちませんでしたが、攻守において適切なポジションを取り続け、他の選手が飛び出していく動きを助けていました。森保監督のサッカーを選手たちに伝えていくだけでなく、ピッチ上で若い選手たちの“思い切り”を出させてあげるポジショニングができる選手として、今後も森保ジャパンのチーム作りに大きく貢献していくでしょう。
 
 また、この日のスタメンの中で最も森保監督の色が見えたのはセンターバックの三浦選手の起用でした。三浦選手は今年、所属するガンバ大阪で決して1年を通して活躍できているわけではありません。その中でのスタメン起用から、森保監督がセンターバックに求める特徴を三浦選手が持ち合わせていると見ることができます。