そこで今後、2人が1つのポジションを争うのか、中島がトップ下の位置に動いて共存関係になるのかはまだ分からない。森保監督は今回トライしなかった3−4−2−1というシステムも持っているため、中島と乾が2シャドウで並ぶ形も考えられる。ドリブルとゴールという研ぎ澄まされた武器を持つ小柄な2人が技術を駆使し、屈強で大柄な外国人DFをキリキリ舞いする攻撃パターンこそ、今の日本サッカー界が追い求める「ジャパンズ・ウェイ」なのかもしれない。そこに香川真司(ドルトムント)、原口元気(ハノーファー)ら年長者、あるいは今回ともに戦った南野や堂安ら若い世代がうまく融合して連携を深めていけば、これまでになかった創造性ある攻めが確立できるかもしれない。そんな予感をコスタリカ戦の中島翔哉は大いに感じさせてくれたのだ。

「このチームはまだまだ始まったばかりだと思いますし、他にもいい選手がたくさんいる。またこのメンバーで集まれるかどうかも分からないので、お互い成長してまた次に会えるように自分も頑張っていきたいです」と新背番号10は目を輝かせた。楽しんでサッカーをするという哲学を抱きながら、飛躍を続ける中島翔哉がこの先の日本代表で真のエースナンバー10に君臨していくのか否か。そこを興味深く見守っていきたいものだ。

文=元川悦子