今週から、秋競馬がスタート。開幕週に阪神競馬場で行なわれるのは、GIスプリンターズS(9月30日/中山・芝1200m)の前哨戦となる、GIIセントウルS(9月9日/芝1200m)だ。

 実はこのレース、ファンの予想を覆(くつがえ)す”下克上”の多いレースと言える。一例となるのが、2015年。GI常連組を抑えて、10番人気のアクティブミノルが勝利し、単勝が4800円、3連単が40万5590円という高配当がつく波乱となった。

 その他、2012年には6番人気のエピセアロームが優勝。のちにスプリント界の絶対王者に君臨するロードカナロア(1番人気2着)を抑えている。さらにその翌年、GI4勝を挙げるなど、まさに無敵を誇ったロードカナロアが1年で唯一敗れた(2着)のが、このレースだった(勝ったのは2番人気ハクサンムーン)。

 冒頭で触れたように、セントウルSはスプリンターズSを見据えての”叩き台”となるため、有力馬は余裕残しの仕上げで出走してくるケースが多い。ゆえに、こういった番狂わせが起きているのだろう。

 ならば、今年もそうした思いもよらぬ結末を想定して、サプライズを起こしそうな存在を探し出してみたい。

 過去10年の結果を参考にすると、まず取り上げたいのは、このレースでの活躍が顕著な3歳馬である。

 先述のアクティブミノルとエピセアロームも、ともに3歳時に金星を挙げている。その他、2010年には4番人気の3歳馬ダッシャーゴーゴーが、歴戦の古馬を抑えて勝利を飾っている。

 もちろん、3歳馬であればどんな馬でもいい、というわけではない。上記3頭はいずれも、それまでにオープン特別か重賞を制していた。

 そして今回、3歳馬はアサクサゲンキ(牡3歳)、アンヴァル(牝3歳)、ラブカンプー(牝3歳)の3頭が出走。そのうち、ラブカンプーはすでに古馬混合の重賞でも好走を繰り返しているが、前述の条件をクリアしていない。

 そうなると、狙い目となるのは、アサクサゲンキとアンヴァルである。


昨年、小倉2歳Sを快勝したアサクサゲンキ

 アサクサゲンキは、昨夏のGIII小倉2歳S(小倉・芝1200m)の覇者。その後は勝ち星を得られていないが、重賞で頻繁に掲示板に載るなど、安定した走りを見せている。

 この夏も、古馬相手のスプリント重賞を2戦して、後方から追い込んで4着、6着と健闘。そろそろ古馬との対戦にも慣れが見込め、一発の可能性を大いに秘めている。

 ただ、アサクサゲンキはそこそこ人気を集めそう。より穴狙いに徹するなら、アンヴァルのほうだ。

 アンヴァルは昨年の2歳時に、未勝利から500万下、オープン特別の福島2歳S(福島・芝1200m)まで3連勝を遂げている。しかし、その後はクラシック戦線に乗って、距離が延長されたレースで振るわなかった。

 その結果、2走前から適距離の1200m戦に戻ったが、芳しい成績は残せていない。おかげで、今回も人気は見込めないが、前走のGIII北九州記念(8月19日/小倉・芝1200m)では10着に敗れたものの、勝ち馬からはコンマ7秒差。およそ3カ月ぶりのレースだったことを思えば、決して見限れない。

 前走は馬体重が14kg増と、余裕残しの状態でもあった。叩き2戦目の今回、ガラッと一変して古馬を蹴散らす激走を見せてもおかしくない。

 続いて着目したいのは、その年のGIIIアイビスサマーダッシュ(新潟・芝1000m)に出走していた馬たちである。

 というのも、前走や前々走などで同レースに出走し、セントウルSに参戦してきた馬たちの成績がいいからだ。

 しかも、2008年に11番人気で2着となったシンボリグラン、2009年に5番人気で勝ったアルティマトゥーレ、同11番人気で3着となったコスモベル、さらに昨年、6番人気で2着に入ったラインミーティアなど、多くの馬が穴を開けている。

 そして今年も、アイビスSDを走ってきた”穴馬”候補が何頭かいる。なかでも、過去10年で5勝と好相性の牝馬で、前述のアルティマトゥーレと似た雰囲気を持つ、レジーナフォルテ(牝4歳)をここではピックアップしたい。

 同馬は、6月に1600万下特別のテレビユー福島賞(6月30日/福島・芝1200m)を快勝し、続くアイビスSDでも4着と好走した。同様に、アルティマトゥーレもテレビユー福島賞を勝って、アイビスSDで3着に入っていた。

 重賞実績が乏しい分、上位人気を争うことはないだろうが、レジーナフォルテが同じような臨戦過程をたどったアルティマトゥーレの再現を果たしても不思議ではない。

 アイビスSD出走組ではもう1頭、面白い馬がいる。同レース5着からここに挑むラインスピリット(牡7歳)である。

 こちらは先述のシンボリグランに似たタイプ。シンボリグランは長らく勝ち星から遠ざかっていたものの、おおよそ勝ち馬から1秒以内の着差で奮闘していた。直近のレースでも、4走前のオープン特別で4着、その後のGIII3戦でも、7着、2着、6着と、勝てないながらも、勝ち馬から1秒以上離されるような大敗を喫することはなかった。

 ラインスピリットも現在、それと似たような状況にある。今年1月にオープン特別を勝ったあとは、GIの高松宮記念(3月25日/中京・芝1200m)こそ勝ち馬から1秒離されての15着大敗となったが、それ以外の重賞4戦は8着、5着、6着、5着ながら、すべて勝ち馬から1秒以内の敗戦で、大負けはしていない。

 それでも結果が出ていないため、今回も人気薄にとどまるだろうが、シンボリグランと同じく、何かがかみ合えば、上位に浮上してくる可能性はある。”大穴”としてオススメしたい1頭だ。 秋競馬が始まると、すぐさま秋のGIシリーズを迎える。その軍資金を確保するためにも、開幕週からいきなり高配当をゲットしたいところ。それを実現してくれる”穴馬”が、ここに挙げた4頭の中にいるはずだ。