オウム真理教が起こした地下鉄サリン事件(1995年3月20日)の10日後に起きた、國松孝次警察庁長官狙撃事件に関する驚愕の事実の検証である。われわれ一般人は「長官狙撃事件の犯人はオウム」と当時から信じ込まされてきた。しかし、当時から公安部のオウム説の一方で、刑事部は別の男を追っていた。今は岐阜刑務所に収監されている謎の男・中村泰である。希代の凶悪犯罪者であるという。

東大中退の中村は今、88歳で、パーキンソン氏病を患っている。彼に関する4000点もの証拠品の中には、60を超える偽名のパスポート、シークレットブーツ、國松長官の家までの地図を書いたフロッピーディスクなどがあり、殺人事件で19年千葉刑務所に入っていた間に、右翼の野村秋介と会い影響されたのではないのか説がある。

珍しい拳銃の弾丸に関する話といい、中村の弟の話といい、限りなく中村が黒だと思えるが、目撃情報との差もあり、2010年3月30日に証拠不十分で釈放のまま時効が成立してしまったのだ。中村犯人説は極め付きの真実に見える。なぜ今まで放置されたのか訝しい。

瀕死の重傷を負った國松氏が元気になってから、筆者はあるパーティーで彼と出くわした。20センチぐらいの接近状態で顔を見て、「あっ、彼だ!」と驚いたが、周辺の人たちには彼の事件が忘却の彼方なのか、誰も注目する人はいなかった。今回のドキュメントがことさら私の関心を引いた所以である。続編を大いに期待する。(放送2018年9月2日21時〜)

(黄蘭)