共通点の多い堂安と本田。ともにオランダリーグを海外挑戦の出発点としている。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 その目は遙か先を見据えていた。4日から札幌で行なわれている日本代表合宿に合流した20歳のMF堂安律(フローニンヘン)は、こう強調した。
「本当に年齢は関係ないって思っているんで。口だけでそう言う人もいるけど、オレは心から思っている。それを口だけではなく、ピッチで表現したい」
 初のA代表。今メンバーでは2番目に若い年齢。それがどうした――と言わんばかりだった。
 
 その姿は、かつてのエースの若かりし頃がオーバーラップする。南アフリカ、ブラジル、ロシアと3大会連続ワールドカップで得点を奪った本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)。06年11月にA代表に招集された当時20歳の本田は、最初から強気な発言で注目を集めてきた。中村俊輔と繰り広げたFKキッカー騒動など、年上に対しても長年チームを引っ張ってきた中心選手に対しても、物怖じせずに自らの主張を口にした。そして「ワールドカップ優勝」を公言。日本サッカー界のアイコンへと上り詰めた。
 
 同じ左利き、強靱なフィジカル。そして海外リーグ挑戦の入り口がオランダリーグ。堂安と本田に通ずるところは多々あるが、何よりも一番似ているのはメンタル面の強さと、向上心の塊であることだろう。
 
 昨年はガンバ大阪からの期限付き移籍だったが、今季からフローニンヘンに完全移籍。「今年からチームの中心としてやらせてもらっている。その中で4試合1ゴールは反省しないといけない」
 
 試合に出場するだけではなく、チームの勝敗を左右する役目を担っているという自覚。本田もオランダに移籍した当初から「こっちに来てフローデの気持ちがよく分かるようになった」と話していた。フローデとは名古屋や清水に在籍した元ノルウェー代表FWのフローデ・ヨンセンのこと。海外に出れば自身が“外国人”となり、その“助っ人”に求められるタスクの重さを感じ取っていた。チームを勝たせなければ、この国に来ている意味はない――。すでに堂安も同じような境地に達している。
 
 それもそのはず。常に堂安が比較対象にしているのは、同年代の外国人選手である。それもロシア・ワールドカップで優勝したフランス代表のFWエムバペやリバプールのFWドミニク・ソランケら世界一流クラブでプレーする選手たちだ。その高みを目指しているからこそ、A代表入りでも浮かれることはなく、チームの中心となるのに早すぎるとは思っていない。
 
 4日のトレーニングは帰国翌日ということもあって別メニュー。本格的な戦術練習合流は、5日からになる。
 
「まだまだ、そんなことまで考えられない。目の前の試合です」
“ポスト本田圭佑”の話題に関してはコメントを避けたが、22年のカタール・ワールドカップへ向けて世代交代が叫ばれるなか、堂安が次期エース候補のひとりであることは間違いない。果たして、次代の顔になり得る可能性を自らの足で示せるのか。森保ジャパン初陣となる7日の親善試合チリ戦。世代交代を告げる戦いの、幕が開ける。
 
取材・文●飯間 健