飲食店選びに迷った時、グルメ口コミサイトで調べてみるという方も多いかと思います。高評価のお店には大行列ができることも珍しくありません。しかしその情報、本当に信用していいものなのでしょうか。というのも無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、あるお店の口コミに「共通点」を見つけたというのです。一体どんな?

“グルメ口コミサイト日本一”のラーメンは、本当に美味しいのか?

「グルメ口コミサイト ラーメン部門 全国1位」や他のタイトルも獲得している、ラーメン界では超有名なお店に行ってみました。不便な田舎町にありながら、日本一となっていることは、マーケティング的な興味の対象となるからです。大きな期待を胸に、開店30分前に行列に加わりました。

カウンターに通され、早速評判となっている醤油系と塩系2種類のラーメンを注文。どちらも美味しく、丁寧な仕事であることはよくわかります。麺とスープのバランスも悪くありません。しかし、醤油系は豚骨の、塩系は煮干しの香りが、表に出過ぎています。せっかくの深い味わいを邪魔しているのです。非常に残念。

ところが、まわりのお客さまからは絶賛の声が聞こえてくるのです。

味の好みは人それぞれなので、この味を否定するつもりはありません。ただ、“日本一”の称号には疑問があります。臭みを除いたとしても、大絶賛するほどの味ではありません。美味しいのですが、いたって普通の味です。

なぜ、日本一となったのでしょうか。

そこで、このお店の口コミ評価をじっくりと読んでみました。星3つ程度の平均点をつけている人の感想は、

期待が大き過ぎたのか…私の味覚が世間とズレているのか普通の味に感じたのは、私だけ?

など、やや遠慮がちなものとなっています。あまりにも他の人の評価が高過ぎるので、率直な感想を述べることを躊躇しているようにも感じます。

逆に、星5つをつけている人が多いのです。投稿も美辞麗句のオンパレード。

このラーメンの素晴らしさは、言葉では表現できない優しい味わいながら、厚みのある出汁もう、他の店には行かないだろう

ここまで高評価のお店が、他にあるのでしょうか。

しかし私は、星4つ以上をつけている人の投稿には、ある共通点があることに気づきました。

やたらと長い文章メニューごとの事細かな解説一度の投稿で、お店の主要メニューのほとんどについて感想を書いている

その文章スタイルが、見事に一致しています。他のお店の投稿には見られないパターンです。あまりにも似ているため、疑いを持たずにはいられません。お店の作為ではないでしょうが、常連客による“応援”なのではないかと思います。あくまで私の推測であり、断言はできませんが。

お客さまとの繋がりが強いお店なら、多くの常連客が協力し合い、応援しようとするのはごく自然なことです。その具体的な行動が、口コミへの評価・投稿となったのではないでしょうか。

自分の言葉で書くのが難しいため、仲間の投稿を参考にしたのかもしれません。あるいは、例文がまわったのかも。そのことを批判するつもりはありませんが、それが“日本一”の要因となっているのなら、若干問題アリと言わざるを得ません。冷静な第三者による評価ではないのですから。

また、こうしたサイトに関しては、お店の評価を意図的に高くする業者もいるので、利用する人は惑わされないように注意する必要があります。全面的には信頼せず、食べ歩きをする際の参考程度に利用すれば良いのではないでしょうか。

しかし、お店としては嬉しいことです。それだけ熱心に応援してくれるお客さまがいるのですから。そんな熱いファンを作ることが、繁盛への道なのかもしれません。

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