ジャカルタ・アジア大会で金メダルを獲得し帰国した野球韓国代表=(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】ジャカルタ・アジア大会で金メダルを獲得したため男子サッカーと野球の韓国代表選手が兵役免除の特例を受けることについて、特例制度の公平性を疑問視する声が上がっている。

 特に野球代表の一部に対し、兵役が免除になる可能性のあるアジア大会まで入隊せず、代表に選ばれたとの指摘が出るなど反発が強まっている。また芸術家やアスリートだけに特例を与える現在の制度は不公平との指摘も出ている。

 ジャカルタ・アジア大会に出場した韓国代表のうち、兵役免除の特例を受けるのは42人。このうちサッカーが20人、野球が9人となっている。

 U−23(23歳以下)で構成したサッカー代表にオーバーエージ枠で加わった26歳の孫興民(ソン・フンミン、英トットナム)や野球代表に選ばれた28歳の呉智煥(オ・ジファン、LGツインズ)も兵役免除の特例の対象となる。

 実際に韓国では兵役の義務を果たしていない多くの選手がジャカルタ・アジア大会のサッカーと野球の代表に加わったことで兵役問題が話題になり、結果的にサッカーと野球の代表は金メダルを獲得し、兵役免除の特例を受けることになった。

 兵役免除の特例を受ければ、4週間の基礎軍事訓練を受けた後、自身の得意分野に34カ月従事すればよい。またこの期間に得意分野を利用して544時間の奉仕活動をする必要がある。ただ、海外で活動する場合は奉仕時間が半分になる。

 野球やサッカーなど、プロとして活動する選手にとって21カ月(陸軍基準)の兵役は技量と収入に直結する。選手らが国内外で活躍すれば韓国のイメージがマイナスになることはないが、兵役の義務の公平性という面では問題があるようにみえる。

 このような兵役免除の特例が受けられる対象を大衆芸術に従事する人や、技能五輪に入賞した技術者も含めるべきとの主張も出ている。  

 例えば韓国の人気グループ、防弾少年団(BTS)は米ビルボードのアルバムチャート「ビルボード200」で2作連続の初登場1位を達成するなど、大きな経済効果をもたらすとともに、世界で最も影響力のあるアーティストに選ばれるなど、国際スポーツ大会の金メダリストに劣らない知名度があるが、現状では兵役免除の対象にはなっていない。

 野党第2党の「正しい未来党」所属の河泰慶(ハ・テギョン)国会議員は国会国防委員会の全体会議で「防弾少年団の兵役を免除してほしいとの話があり、特例を与える国際大会のリストを調べたが、公平性に問題がある」とし、「バイオリン、ピアノのような古典音楽コンクールで1位になれば兵役免除の特例を与えるのに、大衆音楽でビルボード1位になっても特例が与えられない」と問題を提起した。

 韓国兵役制度は現役兵と常勤予備役、転換服務(現役)、社会服務要員、芸術・スポーツ要員、専門研究・産業技能要員などに分かれており、芸術・スポーツ要員の特例は1973年に初めて導入された。 

 兵役特例者は5月末時点で449人。兵役特例制度は国威発揚や文化振興に寄与した芸術家やアスリートが芸術・スポーツ要員として服務できるよう導入された。

 芸術要員は兵務庁長が定める国際芸術コンクールで2位以上の入賞者のうち、入賞成績順で2人以内、兵務庁長が定める国内コンクール(国楽など国際大会がない分野のみ該当)で1位入賞者のうち入賞成績が最も高い者、重要無形文化財の伝授教育履修者が対象となっている。

 スポーツ要員は五輪3位以内の入賞者、アジア大会1位入賞者(団体競技の場合、実際に出場した選手だけが該当)が兵役免除の特例を受ける。

 韓国では6月に憲法裁判所が宗教的な信念や良心を理由に兵役を拒否する者に対する代替服務を認めるべきとの判断を示したことから、兵役の公平性のあり方が注目を集めている。

 兵務庁は兵役免除の特例制度改善を求める世論の高まりを受け、改める意思を示した。

 奇讃守(キ・チャンス)兵務庁長は3日、聯合ニュースの取材に対し、「兵役の特例制度を手直しする時期がきたと感じている」とし、「スポーツ・芸術の兵役特例を全体的に再検討する計画」と明らかにした。 

 兵役免除の特例制度改善に関しては多様な意見が出ている。青瓦台(大統領府)ホームページにもこの日、五輪やアジア大会での1回の結果で兵役免除を与えるより、国際大会の成績を点数化し、特例を適用する制度を導入すべきとの請願が寄せられ注目を集めた。