夏の小倉開催を締めくくるGIII小倉2歳S(小倉・芝1200m)が9月2日に行なわれる。

 2歳戦、それも夏場のレースとなれば、ほとんどの馬が1〜2戦のキャリアしかなく、実力比較が難しく、展開も読みづらいため、レース予想は難解を極める。しかも、小倉2歳Sは小回りの1200mという舞台設定とあって、紛れが多く、さらに厄介だ。

 ゆえに、過去10年の結果を振り返ってみても、何度となく波乱が起きている。代表的なのは、2014年。15番人気のオーミアリスが勝って、単勝が1万2020円、3連単は47万2690円という高配当をつけた。

 この他にも、2011年には12番人気のハギノコメントが3着に入線し、2016年には10番人気のダイイチターミナルが2着に突っ込むなど、穴馬の台頭が頻繁に見られる。

 とすれば、夏の締めくくりに”万馬券”ゲットの青写真を描くのも悪くない。そこで、過去10年の結果を参考にして、今年の「穴馬」候補をあぶり出してみたい。

 まず過去の激走馬を見てみると、同じ舞台の小倉・芝1200mでデビュー勝ちしながら、人気薄にとどまっていた馬が多いことがわかる。

 前述のオーミアリスをはじめ、2010年に9番人気で3着に入ったスギノエンデバー、2012年に6番人気で2着となったクラウンレガーロ、同じく7番人気で3着となったラヴァーズポイント、さらに2017年に7番人気で3着に飛び込んできたバーニングペスカらがそうだ。

 当然、同じ舞台でデビュー戦を圧勝した馬は人気となるが、これらのように初戦の内容をあまり評価されなかった馬でも、同じ舞台で勝っていれば、軽視は禁物だ。

 今年もこれに当てはまりそうな馬が何頭かいる。なかでも、初戦で逃げ切り勝ちした馬は除いて、先行、もしくは中団からの競馬で勝ち切った馬を狙いたい。というのも、先に挙げた馬の多くが、好位から抜け出して勝っているケースが多いからだ。

 その視点でいくと、アズマヘリテージ(牝2歳)とミヤジシルフィード(牡2歳)が浮かび上がる。そしてここでは、過去10年で6勝している”牝馬”を優先して、アズマヘリテージを推したい。

 同馬は、2歳新馬(8月18日/小倉・芝1200m)を6番手からの競馬で勝利。初戦からクレバーなレースぶりを見せた。経験の浅い馬たちの争いなら、このセンスは武器になるはず。人気薄の一発を期待したい。

「同舞台」という観点でいえば、例年8月に行なわれるオープン特別のフェニックス賞組とひまわり賞組も無視できない。とりわけフェニックス賞は、九州産馬限定のひまわり賞と比べて、小倉2歳Sを狙う馬のステップレースという位置づけが強い。その分、より重要視される。

 ゆえに、フェニックス賞の勝ち馬は例年人気となるが、実は同レースの2、3着馬も小倉2歳Sで人気を落としながら、好勝負を演じている。

 例えば、昨年5番人気で2着となったアイアンクローはその典型。同馬はフェニックス賞で1番人気に推されていたが、3着に敗れて小倉2歳Sでは人気を落としていた。

 人気馬ではあるが、2010年のブラウンワイルドも、フェニックス賞2着のあと、小倉2歳Sで巻き返して快勝している。ならば、同じ臨戦過程を踏んでいる馬を今年も狙いたい。



前走のフェニックス賞でも2着と好走しているチュウワフライヤー

 今年はフェニックス賞(8月11日)の1〜3着馬が勢ぞろいするが、人気薄となるのは、やはり2、3着馬。そのうち、ここでも”牝馬”という点を上に見て、2着馬のチュウワフライヤー(牝2歳)を推奨したい。

 6月の2歳新馬(6月16日/阪神・ダート1200m)を勝った同馬は、2戦目でフェニックス賞に挑戦。勝ったシングルアップ(牡2歳)にコンマ2秒遅れたものの、初芝のレースで上々の走りを見せた。

 芝レース2戦目の今回は、さらなる上積みが見込める。人気のシングルアップを逆転し、大金星を挙げてもおかしくない。

 最後に注目したいのは、初陣でダート戦を勝って、小倉2歳Sに挑んできた馬。芝への適性が未知数ゆえ、低評価にとどまるものの、デビュー戦をきっちり勝ってきているだけに侮れない。

 いい例が、冒頭でも触れた2011年に12番人気で3着に入ったハギノコメントと、2009年に5番人気で2着となったダッシャーゴーゴーだ。ともにダート戦デビューから、芝レースに転戦して穴を開けた。

 ちなみに2頭の父は、ハギノコメントがファルブラヴ、ダッシャーゴーゴーがサクラバクシンオー。芝替わりは問題ないタイプだった。

 そうなると、ダートデビュー組にも食指が動く。今回のメンバーでは、エイシンノホシ(牝2歳)が当てはまる。

 2歳新馬(8月11日/小倉・ダート1000m)では、出足よく2番手につけると、そのまま直線で先頭に立ってライバルたちをねじ伏せた。レース運びのうまさに加え、父タイキシャトル、母父アグネスタキオンという血統からも、芝替わりへの不安はない。

 実際、レースが終わったあと、すぐに陣営は小倉2歳Sを目標にしたという。もともと芝でもやれると踏んでいたのだろう。人気薄に反発し、大駆けする可能性は十分にある。 2歳馬たちの”スピード比べ”となる小倉2歳S。とにかく経験が少ない若駒たちの争いだけに、荒れる要素はふんだんにある。今年最後の”サマードリーム”をつかむためにも、ここに挙げた3頭で大勝負をかけてみてはどうだろうか。