スマホの「二年契約」見直しで解除料金ナシ変更が簡単になる? 喜ぶのは早いかも、隠れた問題点

しかしこの「二年契約」を正しく理解している人は、意外に少ないようです。
ほとんどの人は
・二年間の契約中の解約では、解除料がかかる
・二年間が過ぎると契約が自動更新される
・解除料は1万円くらいかかる
こうしたぼんやりした内容と認識しているかと思います。
「そろそろ分割が終わるので、二年契約も終わる」
「二年前に引っ越したときに買い替えたので、そろそろ更新の時期だ」
など、
たまたま契約更新タイミングに気づいた。なんてこともあります。
こうしたなにかきっかけがないと、うっかり更新時期をのがしてしまう人も多くいます。
そこで最近の携帯電話会社では、
更新のタイミングを迎える時期に、ショートメールや手紙で、更新のお知らせを通知するサービスも実施されています。
しかし実は、こうしたお知らせがきても、それが
「契約の更新のタイミングではない」
そうしたケースが、意外に多くあります。
おしらせがきたので、他者に乗り変えたら解除料金が発生した。
なんてこともあります。
これは「二年契約」のわかりづらい仕組みのためです。
では、実際に解除料がかからないのはどのタイミングなのでしょうか。
今回は改めて、
・二年契約の仕組み
・現在携帯電話各社が取り組んでいる二年契約の見直しと問題点
これらについて解説していきます。
○スマホ・携帯電話の二年契約は「契約から丁度二年ではない」、
二年契約について「携帯電話を契約した日から二年間の契約」だと思っているのなら、それは間違いです。

携帯電話の二年契約とは、
・契約した月とその翌月を一ヶ月目とする
・その一ヶ月目から数えて二年の間は解除料がかかる
こうした仕組みなのです。
例えば、
2018年8月に契約した場合、
・2018年8月と9月が一ヶ月目となります
・その二年後「2020年8月末」までが解除料がかかる期間となります
2018年8月契約では、二年後の2020年8月の同日で完了ではないのです。
つまり解除料がかからない期間は
・二年を満了した翌月と翌々月となる
前述のケースでは、
・2020年の9月
・2020年の10月
この2ヶ月間が解除料のかからない期間となるのです。
つまり2か月も、認識に「ズレ」が生じてしまうのです。
この期間の「ズレ」が二年契約の仕組みをわかりづらくしています。
そこで、このわかりづらさを解消するべく、大手携帯電話会社では。
「丁度二年後にあたる24ヶ月目で解約した場合でも、解除料がかからない」
このような二年契約の制度の見直しが現在進んでいます。
○24ヶ月目で解除料が不要でも注意! 「割引」や「分割」はどうなるのか?
現在進行中の見直しで、ぴったり二年で解除料がかからなくなったとしても、注意しければならない点があります。
・割引
・分割
この存在です。
スマートフォンや携帯電話の購入方法には、お馴染みの「24回払い」の分割払いがあります。
この支払いは「契約した翌月」からスタートします。
契約からぴったり二年のタイミングは、
・解除料は、かからなくなる
・しかし、分割代金の支払いは「あと1回分」残っている
といった状態になるのです。
また、スマートフォンや携帯電話の本体代金を割り引くサービスも
・解約した月は割引が適用されない
・二年契約とは別に、大幅値引きを行っているので解除料がかかる
といったものもあります。
つまり、二年契約の見直しされても、
二年ぴったりのタイミングで解約すると、逆に割高になってしまう可能性もあるのです。
・現在の二年契約
・見直し後の二年契約
この仕組みの違いを把握しないと、「お得に買い替える」ことは難しいかも知れません。
さらに、自分が加入している割引やサービスについて
・いつまで割り引かれるのか
・割り引かれなくなる条件はあるのか
・割引に加入したことで二年契約と別の解除料はかかるのか
これらも把握していないと、割高になる可能性もあります。
今後、二年契約は見直される予定ですが、
手放しで「買い替えやすくなった」と喜ぶのは、まだできないと、知っておくといいでしょう。
迎 悟