安倍首相が昨日26日(2018年8月)、訪問先の鹿児島で、9月の自民党総裁選への出馬を表明した。それも、暑い中わざわざ錦江湾に面した波止場に記者とカメラを集め、桜島をバックに、という凝りよう。「西郷どん」にでもなったつもりか...。

安倍氏は、「子供たち、孫の世代に、美しい伝統あるふるさとを、誇りある日本を引き渡していくために、あと3年、自民党総裁として、内閣総理大臣として、日本のかじ取りを担う決意であります」と、相変わらず口当たりはいい。

「平成の薩長同盟」を演出したと産経新聞が報道

さらに、「歴史の大きな転換期にあって、日本の国づくりをどう進めていくか、が争点であろうと思います。そういう骨太の議論をしていきたい」といった。

長年の財政赤字は、言ってみれば「孫の財布に手を突っ込んでいる」ということ。その解消のための消費税アップを先送りしておいて、よく言うよ、と孫から皮肉のひとつも出てもよさそうだが。また、骨太の議論とはどういう形なのか。

6年前の総裁選は、地方票で石破茂・元幹事長がリード。決選投票での国会議員票で安倍氏が勝った。ために今回安倍氏は、地方票獲得に力を入れており、鹿児島訪問もそれだった。

しかし、産経新聞によると、総裁選で「反安倍」に傾きそうだった石原派を「安倍支持」で取りまとめた森山裕・国対委員長(鹿児島選出)への返礼訪問で、「平成の薩長同盟」を演出したのだという。なんというアナクロ記事。策士は長州の伝統ではあるが......。

で、肝心の論戦の方だが、すでに立候補を表明している石破氏は、テレビ番組で、「あちこちで演説するよりも、候補者同士が討論する方が総理の負担も減り、国民にもわかりやすい」と、テーマごとの討論を求めた。しかし安倍氏は、従来の総裁選そのままの「論戦」、つまり言いっぱなしの演説でいいという意向のようだ。討論では敵わないということか。

タレントの石原良純「それも選挙戦術のひとつなんですかね。直接対決の論戦は見たい」

キャスターの羽鳥慎一「石破さんはやりたい。安倍さんはやる必要はない」

弁護士の住田裕子「総理になる人なんだから、国民に見せる必要はある。もし憲法論議をするのなら、重大な転換期ですから」

テレビ朝日解説委員の玉川徹「新聞各紙の世論調査を見ると、自民党支持者の中では安倍総理支持が圧倒的。ところが一般となると、安倍さんのリードは10ポイントに満たない。石破さんの評価は意外と高い」

かつて小泉純一郎氏が勝った時、地方票が「橋本龍太郎氏を勝たせたら、次の選挙で勝てない」と小泉氏に雪崩を打ったことがある。

ただ、当の石破氏は昨日、キャッチフレーズの「正直、公正」を変更するとして、「唯我独尊ではなく、いろんなご意見の中から、何が一番訴える力を持つか、みんなで議論しながら決めたい」といまひとつわからないことを言っていた。もともと票になる顔じゃないのだから、少なくともわかりやすくないといけません。