【サンドイッチはアメリカでは首位だが……】アメリカではサンドイッチはれっきとした料理の1ジャンル。日本との認識の違いも 写真/時事通信社

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◆3期連続赤字のサブウェイにみる収益改善の教訓とは

 ファストフード業界の競争が激しい。中でもハンバーガーはここ数年でライバル店が増えた。’15年に、米バーガーチェーンのシェイク・シャックが日本に上陸し、撤退していたカールス・ジュニアも復活。それでも、マクドナルドは売り上げ1位の座に君臨している。

 マクドナルドという世界的なファストチェーン店を生んだアメリカだが、調査会社データフィニティ(Datafiniti)の最新調査によると、実は店舗数でいうと2位に留まり、1位はサンドイッチチェーンのサブウェイ。全体の割合で18.5%を占める。

 しかし、日本ではサブウェイは苦戦している。3年連続で赤字を出し、最新の’17年12月期の決算では約1435万の赤字。赤字幅は’16年12月期の5047万円よりも縮小したとはいえ、いずれにしても厳しい状況が続いている。また店舗数も、’14年の480か所をピークに、現在は321店舗(’18年7月現在)。4年で約180店舗も閉店した。

 店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は、次のように分析する。

「一言で食文化の違い。日本のサンドイッチ文化が成熟していないからです。日本にサブウェイは321店舗ありますが、マクドナルドは約2900店舗と約9倍もの差があります。一方アメリカでは、マクドナルド1万4000店舗に対し、サブウェイの店舗数は約2万5000店と、日本ほどの差はありませんが、サブウェイのほうがメジャー。欧米ではサンドイッチがそれほど馴染みのある食べ物なのです。また、日本ではおにぎりのような手軽に食べられるものが他にあり、サンドイッチの位置づけがあまり高くありません」

 欧米に比べると、サンドイッチを食べる機会にも違いがある。日本はコンビニで安くて十分質の高いものを気軽に買えるからだ。

「サブウェイを利用する人の7割が『健康的だから』『野菜が採れるから』という健康意識の高い人ですが、日本にはコンビニがあちこちにあり、おいしいサンドイッチやサラダも種類豊富にあります。相対的に健康志向の価値がサブウェイは下がってしまっている。ブランドイメージも光るものがなく、価格もコンビニよりも値が張るので高く感じます」

◆SNSでの販促展開や内装まで細部が差を生む

 日頃から店舗のコンサルティングを行う佐藤氏はサブウェイと他との対比を例に挙げつつ「経営不振の店は商品の魅力と価格に問題がありますが、同じくらい重要なのは内装や接客」と指南する。

「サブウェイは店舗の老朽化が進み、あまり店舗空間を作るのがうまいとは言えません。隣の席も近くて窮屈で、カウンターの席も多く、カフェ的なゆったりできる雰囲気ではない。もともとマクドナルドが入れないような狭い敷地でも出店できる点が強みでしたが、店舗づくりの工夫は必要だと感じます。一方マクドナルドは、店舗の改装にも力を入れていて、9割のお店をモダンにすることを掲げ、年に300店舗改装をしています。おしゃれできれいな印象を持たせることは、ハンバーガーの格をあげることにも繫がります」

 接客態度にも差がある。

「サブウェイは、注文の際の会話のやりとりが比較的多いので、ネガティブな印象が残りやすい。店員の挨拶があまり元気がなく、注文の案内も丁寧さが欠ける印象です。一方マクドナルドは、教育システムが確立して、接客の意識も高い」

 ファストフードでとるべき戦略とは何なのか。

「SNSで話題を呼ぶような遊び心のある販促が求められています。マクドナルドはメニューの総選挙やネーミングの募集、『マック』と『マクド』対決といったいろんな切り口で興味を引いています」

 商品の工夫は、時間帯や地域という視点がカギとなる。

「マクドナルドは、パティを二倍にする夜マックで集客に貢献しています。サブウェイでもモーニング限定の『朝サブ』というメニューがありますが、夜にも限定メニューをつくるといいかもしれません。モスバーガーの各地の従業員が発案したご当地創作バーガーも好評で、売上にも反映されました」

 佐藤氏は店舗経営の基本はできるだけマイナス点をなくすことであると強調する。

「ヒット商品を出すことも大事ですが、基本的な毎日の小さな積み重ねが一番影響します。どんなに良い商品でも接客や店内で気になる点があれば、客足は遠のきます」

 細部の工夫が大きな差を生む。業態問わず普遍の法則だろう。

【佐藤昌司氏】
株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。店舗型ビジネスの専門家として、集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供している。
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