各クラブ1人という制約はあったが、三好(写真)や杉岡など主力級の選手たちを呼べた点はプラスの材料だ。(C)Getty Images

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 8月14日よりアジア競技大会の男子サッカー日本代表の戦いが始まる。大会自体は10日からすでに開幕済みだが、これは5チームリーグになっているグループがあるから。大会の予選自体が存在しないため、25チーム参加という少々中途半端な数での開催になっているのだ。
 
 それを踏まえると、大会に出てくるチームの実力は“ピンキリ”ということになる。加えて、大会のレギュレーションは「U-23+オーバーエイジ選手3名」という五輪のフォーマット。

 韓国のようにアジア最高峰のFWソン・フンミン(トッテナム)をオーバーエイジで起用するのを筆頭に、23歳以下のイ・スンウ(ヴェローナ)ら欧州でプレーするA代表選手たちまで動員するチームもあれば、日本のように2年後の五輪を見据えて年下のU-21代表で参加するチームもある。

 いわゆるアジア1次予選敗退レベルのチームから、準A代表クラスの戦力を揃えたアジアトップクラスのチームまでが混在するカオスなトーナメント、それが男子サッカーにおけるアジア競技大会だ。
 
 よって、この大会の金メダルが日本の絶対目標というわけではないが、「勝ちを目指すのは当然」と森保一監督が言うように、「経験になれば負けてもいいじゃん」というスタンスでは、そもそも経験にすらならないというもの。

 相手が年上だろうが何だろうが勝ちにいくという姿勢でいくことで、2年後の五輪なり、その先にある舞台に挑むための財産にすることが重要だ。

 どのみち、「五輪で金メダル」を目標にするなら、格上相手の勝利は必須。準A代表クラスの年上チームとの対戦機会を得るまで勝ち残り、そこで腕試しといきたい。

 日本のラインナップ自体は年下という点を無視しても、そもそも万全とは言いがたい。Jリーグ1クラブから1名という制限付きの選手選考。U-19世代の選手たちは秋のU-19アジア選手権(来年に行なわれるU-20ワールドカップの最終予選)を控えており、今回は最初から選外となった。

 A代表の指揮官を兼任する森保監督としては、少々難しい選考作業だったことは想像に難くない。
 ただ、板倉滉(仙台)、杉岡大暉(湘南)、三好康児(札幌)、前田大然(松本)といったJリーグで実績のある選手たちや、初瀬亮(G大阪)のようなA代表経験者も顔を揃えたスカッドが貧弱ということもあるまい。

 森保監督自身、「Jリーグの力を見せたい」と意気込んでおり、チーム作りの過程ながら、同時に結果も求めることとなる。
 
 さらに言えば、森保監督がA代表との「兼任監督」になって迎える最初のステージという意味合いもある。分かりやすく言ってしまえば、ここで活躍して使える選手であることを証明すれば、アジアカップを控えるA代表招集も見えてくる。

 少なくとも選手側はそれを自然と意識する環境だろうし、すでに燃えている選手もいるようなので、A代表へつながる“個”の台頭があるかも楽しみのひとつだ。
 
 大会は14日のネパール戦に始まり、中1日でパキスタン戦、中2日でベトナム戦というタフなスケジュールになる。

 20名全員をフル活用しながらの戦いとなることは確実だが、日本サッカーとJリーグの可能性を感じさせてくれるような、そんな熱いパフォーマンスを期待している。

取材・文●川端暁彦(フリーライター)