厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第12回:スイープセレリタス

 スイープトウショウ(牝)といえば、2000年代に活躍した名牝の1頭といえるだろう。

 2003年から2007年まで現役生活を送り、デビュー以来、豪快な末脚を武器に一世を風靡。その鮮烈な走りに、多くのファンが魅了された。

 デビュー戦を圧勝し、すぐに能力の高さを示したスイープトウショウ。3歳時にはクラシック戦線における主役候補の1頭だった。そして、”牝馬三冠”のうち、GI桜花賞(阪神・芝1600m)は5着、GIオークス(東京・芝2400m)は惜しくも2着に終わったものの、三冠最後のGI秋華賞(京都・芝2000m)を制して、初のGIタイトルを手にした。

 古馬になってからも、第一線で活躍。切れ味鋭い走りで、強烈なインパクトを世の中に与えてきた。

 その最たるものが、4歳時に挑んだGI宝塚記念(阪神・芝2200m)だろう。牡馬一線級の豪華な顔ぶれがそろった同レースにおいて、スイープトウショウは出走15頭中、11番人気という低評価に甘んじていた。

 だが、ここでも自慢の末脚を炸裂させて、競馬ファンの度肝を抜いた。スタート後に中団につけると、直線ではライバルたちを早々に飲み込んで、外からの追撃もきっちり抑えて快勝。連覇を狙ったタップダンスシチーや、前年に”秋の古馬三冠(天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念)”を達成したゼンノロブロイ、さらにはハーツクライやリンカーンら強豪牡馬をまとめて蹴散らした。

 その年の秋には、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)も制覇。以降も重賞戦線で奮闘を重ねて6歳の秋、GI3勝の実績を残してターフを去った。

 彼女のことを語るうえではもうひとつ、欠かせないことがある。荒々しい気性だ。厩舎で暴れて、脚を怪我したこともあれば、調教を激しく嫌がり、予定していたレースに使えないこともあった。

 その気性を含めて、強烈な印象を残した名牝だった。

 そんなスイープトウショウの子が、まもなくデビューを迎えようとしている。美浦トレセン(茨城県)の藤沢和雄厩舎に所属するスイープセレリタス(牝2歳/父ハーツクライ)である。


スイープセレリタスは母と同様の切れ味を見せるのか

 同馬を育成したノーザンファーム早来の佐藤洋輔氏は、春の取材の際に同馬の成長ぶりから感じる手応えをこう語っていた。

「スイープセレリタスは6月5日と遅生まれなので、それを考慮して育成もゆっくり進めてきました。すると、こちらの思った以上に体重も増えてきて、いい成長を見せてくれましたね。調教も理想どおりにペースアップでき、仕上がりの早い馬とも遜色ない走りができています」

 また、佐藤氏は母スイープトイショウと比べて、こんな分析もしている。

「母と同様に、後方待機から直線一気で追い込みそうな雰囲気がありますね。もちろん、実際に走ってみないとわかりませんが……。気性面は、母ほどの難しさはなさそうですね。少なくとも、調教を嫌がって仕方ない、ということはありませんでしたよ(笑)」

 スイープセレリタスは、8月25日の2歳新馬(新潟・芝1600m)でデビューする予定。鞍上は、母とのコンビも務めた池添謙一騎手だ。 個性的なキャラクターで多くのファンに愛された母スイープトウショウ。その愛娘は、母同様のインパクトを世の中に与えることができるのか。初陣での走りが楽しみである。