入れるべき20のアイテムを紹介

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 西日本豪雨の爪痕が癒える間もなく台風12号が列島を襲った。直下型地震のリスクも指摘されるなか、「とりあえず防災袋だけでも用意しておかなければ」と考えるのは自然なこと。

 ただ、被災した当事者たちの声に耳を傾けると、「防災袋に入っているものだけだと、ちょっと足りない」という現実が浮かび上がってきた。そうした貴重な体験談から学ぶべきことは多い。

「“避難勧告が出たから急いで近くの小学校の体育館へ!”とアナウンスされて、とにかく常備しておいた非常袋だけ持って家を出ました。ただ実際に避難所生活を始めたら、“あれを入れておけばよかった”と後悔ばかりで……」

 そう話すのは、7月の西日本豪雨で被災した60代男性である。

 1万〜2万円前後で売られている一般的なリュック型の防災袋に入っているのは、水、アルファ米、乾パン、レトルトカレー、カイロ、非常用ろうそく、ヘルメット、マスク、懐中電灯、救急セット、単三電池、バッテリーなど。

 いずれも災害時に有用なものだが、「これらさえあれば大丈夫」というわけでもないのだ。では、避難生活が長期化すると「それ以外」の何が必要になるのか。実際に被災した当事者たちに聞くと、次の20アイテムが挙がった。

(1)ビタミン剤/野菜不足による口内炎予防・治療に役立つ
(2)七味唐辛子、山椒などの調味料/避難所の食事は薄めの味付けが多く飽きるため
(3)ドライフルーツ/避難所では食物繊維が不足して便秘になりがちのため
(4)ガム/水分不足でも喉に湿り気を与えてくれ、乾いた咳が収まる
(5)耳栓/避難所では大きなイビキをかいたり、話し込んだりする人もいるため
(6)アイマスク/避難所では夜中でも小さな明かりがついているため
(7)折り畳み椅子/広い体育館ではもたれる壁もないため
(8)紐/盗難防止で財布などに通して肌身離さず持っておける
(9)ペン(10)ガムテープ/必要な情報をメモ代わりのガムテープに書いて貼っておける
(11)黒いゴミ袋/荷物の仕分けや防寒・雨具にもなる
(12)消臭スプレー/避難所は汗の臭いで眠れなくなることもあるため
(13)生理用品/男性でもおりもの用パッドをパンツに貼れば汚れや臭いの緩和になる
(14)ベビーパウダー/足や脇の下に使えば汗や不快感が抑えられる
(15)花粉症対策用メガネ/避難所の地面が乾くと汚い砂が舞うため
(16)ネクタイ/洗濯紐、ケガをした人の止血用としても代用できる
(17)料理用ラップ/紙皿に巻いて何度も使えるほか、絆創膏の代用品にもなる
(18)クロスワードパズル/何もすることがない避難所生活で気が紛れる
(19)家族お揃いのキャップ/人が多い避難所での家族の目印に
(20)派手な色のスニーカー/盗難防止になり、履き間違えも少なくなる

 防災アドバイザーの高荷智也氏はこう話す。

「防災セットの中身は、専門家が災害現場の実情を調べながら考えているものです。ただ、被災者たちは大きな声で不満は言いづらいということもあり“あれが足りない”といった『本音』はなかなか表に出てこない。

 だからこそ被災者の生の声を聞きながら既成のセットを自分なりにアレンジしていくことが大切です。ただし、脱出するのに一分一秒を争うような危機的な状況では、まず避難することが一義的には大切だと心に留めておきましょう」

“災害大国”に蓄積された「知見」を活用しない手はない。

※週刊ポスト2018年8月17・24日号