厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第11回:ドナアトラエンテ

 日本の競馬界においても、これまで数多くの「名牝」が誕生している。とりわけここ最近は、ウオッカやダイワスカーレット、ブエナビスタなど、牡馬相手にもヒケを取らない”女傑”が立て続けに登場。天皇賞・秋をはじめ、ジャパンカップや有馬記念など、古馬最高峰のタイトルを次々に制覇していった。

 なかでも直近で、特に素晴らしい活躍を見せた牝馬といえば、ジェンティルドンナ(牝/父ディープインパクト)だろう。

 2011年にデビューした同馬は、翌年の3歳牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)を総なめして、史上4頭目の三冠牝馬となった。

 加えて、彼女は牡馬一線級との戦い、さらには海外のビッグレースでも輝きを放った。

 三冠を達成した直後に挑んだGIジャパンカップ(東京・芝2400m)では、3歳牝馬の身でありながら、「怪物」オルフェーヴルとのマッチレースを制して優勝。翌年も強豪牡馬を振り切って、史上初のジャパンカップ連覇を成し遂げた。

 また、5歳時には海外GIのドバイシーマクラシック(UAE・芝2410m)も勝利。直線では大きな不利を受けながらも、その苦境をはねのけての見事な戴冠だった。

 そして圧巻だったのは、その暮れの引退レースとなったGI有馬記念(中山・芝2500m)だ。当時、世界ナンバー1の称号を得ていたジャスタウェイをはじめ、ゴールドシップ、エピファネイアら豪華メンバーを相手に、先行して抜け出す鮮やかな競馬で快勝。史上最多タイとなる芝GI7勝という記録を残して、華やかにターフを去ったのである。

 その偉大なる名牝ジェンティルドンナの妹が、まもなくデビューを迎える。美浦トレセン(茨城県)の国枝栄厩舎に所属するドナアトラエンテ(牝2歳/父ディープインパクト)である。


ドナアトラエンテは偉大なる姉に続くことができるか

 育成を行なったノーザンファーム空港牧場の伊藤賢氏は、春の取材でこの馬への高い手応えを語っていた。

「ドナアトラエンテは、順調に育成を進められました。動きはいかにもディープインパクト産駒の牝馬という印象で、バネがあって、軽さもあって、切れそうなイメージです。直線の長いコースがよさそうですね。育成当初から、本当にバランスがよくて、いい馬でした」

 デビュー戦の予定は、8月5日の2歳新馬(新潟・芝1800m)。新潟競馬場といえば、日本一長い直線を持つコース。伊藤氏が望む舞台ゆえ、その切れ味をいきなり発揮するかもしれない。

 さらに伊藤氏は、ジェンティルドンナとの比較などを踏まえて、こんな評価も口にしていた。

「ジェンティルドンナは、ディープインパクト産駒らしい牝馬という感じではなかったので、2頭は違うタイプだと思いますね。ただ、どちらがいい、悪いという話ではありません。妹もいい馬ですから。

 気性面も、さしたる問題はありませんね。折り合いに不安のない一族ですし、走っていても無駄な力みがありません。そこは、頭のよさを感じます」 姉のジェンティルドンナとは、またひと味違った雰囲気を持つドナアトラエンテ。実際のレースでは、どんなパフォーマンスを発揮するのか。間近に迫った初陣に注目である。

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