プレシーズンで結果を出し続けている浅野。指揮官の信頼を掴みつつあり、ブレイクの予感を漂わせる。(C)Getty Images

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 今夏からドイツ1部のハノーファー96に活躍の場を移した日本代表FW、浅野拓磨。同じタイミングで同胞の原口元気も加入し、気の知れた仲間とともに新天地で新たなチャレンジをスタートさせている。
 
 ロシア・ワールドカップの最終登録23名に残れなかった浅野は、バックアップメンバーとして日本代表チームに帯同した。グループリーグ初戦のコロンビア戦後に離脱し、束の間のオフを経て7月9日にハノーファーに合流。いきなり紅白戦で存在を示すと、テストマッチでゴールを量産して結果を叩き出している。アンドレ・ブライテンライター監督をして、「アサノの得点感覚と加速力は素晴らしい。我々にとって大きな武器になると確信している」と言わしめたのだ。

 
 原口が7月下旬にやって来ると、チームはいよいよフルメンバーでの最終調整に入った。浅野は4-4-2システムで2トップの一角を担い、8月1日のオーストリア1部・ヴォルフスブルガーAC戦で1ゴール。ゴール前でのキープから粘って右足を振り抜いた。そして3日後のウディネーゼ戦(1本目)でもスタメンを飾り、32分にカウンターから1ゴールを挙げてみせる。右サイドを突破したサレンセン・バゼーが中央にシュート性のクロスを送り、鋭く反応した浅野がスライディングで相手GKの機先を制した。試合はハノーファーの5-1圧勝に終わっている(原口は2本目でフル出場を果たし、攻守に貢献。こちらも2-1でハノーファーが勝利)。
 
 浅野の活躍ぶりを報じたのがドイツのサッカー専門誌『Kicker』で、「タクマ・アサノがまたしても決めた。調子がよく手が付けられない状態だ」と記し、「(2トップで)ニクラス・フュルクルクの相棒をしっかり務め上げている」と称賛。スタメンの有力候補に挙げている。
 
 昨シーズンのシュツットガルトでは出場機会に恵まれず、ワールドカップでは落選の憂き目に遭った23歳。捲土重来を期す新シーズンに向けて、上々の仕上がりをみせている。