放送終了後もいまだ話題になる「おっさんずラブ」の後を受け、今度は何を見せてくれるかと思ったら、「ヒモメン」ときた。メンなんていうと、なんとなくオシャレーな気もするが、ようはヒモ男。働かないことに全力をあげる翔ちゃん(窪田正孝)と、彼をなんとか更生させようとする看護師のゆり子(川口春奈)の物語なのである。

勝手やって病気しても女が医者払いも払い

翔ちゃんのクズっぷりが見事。第1話では、実家を追い出され、ゆり子の部屋に転がり込んで同棲し、働かないくせに家事もしない。おまけに、たった1000円のために、ゆり子が大事にしている漫画本のセットを勝手に売っぱらう。

いよいよ貯金もなくなりハローワークに行くが、雑草を食事にしたために体調を崩し、ゆり子が勤務する病院に行いくが、医療費の支払いはゆり子にと、どこまでもクズな男だ。

それでも、ゆり子への愛情だけはホンモノで、彼女が病院をクビになりそうになると全力で救おうと頑張る。ただそれも、ゆり子に働いてもらわないと困るからというヒモメンならではの発想だったりする。

そんな翔ちゃんを演じる窪田正孝は、どこから見ても完璧なクズ男になりきっていて、こんな男に寄生されたらたまらんわ、というレベルを好演している。

「働かない」という「働き方改革」

何度裏切られても彼を信じ、彼の思いつきのような夢を応援してしまう天然系のゆり子を演じる川口春奈も、応援したくなるキャラクターだ。

権力を振りかざし、ゆり子を窮地に陥れるVIP患者の矢沢(宇梶剛士)から「会社をクビにしてやる」と脅された翔ちゃんが開き直る場面は笑った。「みくびらないでください。ボクは無職です。失うものなんてない。あなたがどれだけ権力を使おうと、無職の前では無力です!」と言ってのけるのだ。見ているこっちも、思わず納得しそうになるが、その実、ただのヒモ男のへ理屈なのだ。

これからも、このパターンでゆり子のピンチを救い、ヒモメンで居続けられるのか。それとも、更生して働き始めるのか。<「働かない」という「働き方改革」>というコピーが笑える。

もうひとつ見どころがある。このドラマには元AKB48の前田敦子と結婚した勝地涼も出ていて、ゆり子に恋心を抱く優秀な医師を演じている。こちらも別の意味でなかなかのクズ男で、物語のキーマンになりそうな気配。(土曜よる11時15分〜)

くろウサギ