こちらの広告、問題なく読めましたか?

富山県高岡市のどら焼きの老舗「中尾清月堂」が今年3月に出した広告「だじいな おらしせ」がこのほど、富山県在住のクリエイターを対象にした広告の審査会「TOYAMA ADC 2018」で「富山ADC賞」を受賞しました。

受賞作品 出典元:株式会社中尾清月堂プレスリリース

リニューアルキャンペーンの広告

すらすらと読めた人も多いでしょうが、よく見ると文字の順序が入れ替わっています。

中尾清月堂は、明治3年創業で富山県内に5店舗を展開。今年3月に看板商品であるどら焼き「清月」を大幅にリニューアルしました。

この広告は「タイポグリセミア現象」を用いたリニューアルのお知らせで、新聞の折り込み冊子に掲載されました。あわせて、改良後の商品のどこが変わったのかをクイズで答えるキャンペーンを3月8日〜18日に開催しています。

一見すると難なく読めてしまう文章で、「どら焼き」の見た目ではなく中身を変えたことを強く印象付けることに成功しています。

同キャンペーンはSNSを中心に話題になり、3000通を超える応募が集まりました。どら焼きは10日間で約5万9200個が売れ、過去最高の販売実績だったいいます。

出典元:株式会社中尾清月堂プレスリリース

タイポグリセミア現象

今回の広告で使用されたタイポグリセミア現象は、文章中の単語の文字を入れ替えても、その文章を問題なく読むことができる現象のこと。

例えば「おはよう」の「は」と「よ」を入れ替えて「お よ は う」と並べても、「おはよう」と読めてしまいます。この現象は1976年ごろから様々な研究者による実験的な文章が存在していますが、科学的には証明されていないといいます。

出典元:株式会社中尾清月堂プレスリリース

どこが変わったかも難題

パッと目を引く広告ですが、肝心の「どこがリニューアルしたか」というクイズが難問だったそうです。

同社によると、「生地も餡も変わった気がする…難しい!」「餡が変わった!豆の粒が少し小さく赤みがかり、歯ごたえを残しつつ汁気が多めの餡になったような気がしました」といった感想がみられたといいます。

問いへのアンサー広告 出典元:株式会社中尾清月堂プレスリリース

語順を変えただけのシンプルな仕掛けですが、読み手にじっくり文章を読ませてロングセラー商品の変革を伝えるユニークな広告でした。