プロの世界では御嶽海で盛り上がっている折も折、こちらの密着ルポは新潟県立海洋高校相撲部の日常だった。総監督の自宅は、昔、旅館だったので、そこを合宿所にして相撲部の少年たちが寝起きしている。奥さんは3度の飯炊きにきりきり舞い。監督夫妻には子供がいないので、相撲部のメンバーがすべて夫妻の子供である。

1日に米は5升がなくなる。巨大なデブちゃん体型の部員は、どんぶりに山盛りのご飯を10杯(!)も食う。朝ご飯を食べさせて彼らを送り出すと、奥さんは車を運転してスーパーへ買い物に行くのだが、1日分の副食材料費が16,000円! 全員にカラフルな弁当を持たせて、これも手作り。知的で美人の監督夫人は「みんなが相撲に一途で可愛い」と不満顔一つしない。頭の下がる賢婦人ぶりだ。

102回の全国高校相撲大会に出場して優勝したかったのだが、強豪の埼玉栄高校が今回も優勝して、応援に行っていた総監督や奥さんもがっかり。筆者は大相撲もあまり見ない無関心ぶりだったので、こんな世界があるとは全く知らなかった。サッカー全盛のこの時代に、昔ながらの刻苦勉励、稽古に励む相撲少年が沢山いるとは、目からウロコである。

こういう密着ものは、往々にして食い足りないか媚び過ぎか、不満が多いものだが、今回の密着ルポは、素晴らしい総監督夫人のキャラクターのお蔭で、見応えがあったのである。もう少し詳しく部員たちの言葉を聞きたかった気もするが・・・。(放送2018年7月21日23時〜)

(黄蘭)