1999年に半年だけテレビ東京のゴールデンで放送された「レレレの天才バカボン」以来18年ぶり、5度目のアニメ化とのことである。同じ赤塚不二夫原作の「おそ松さん」も当たったから、今度は「バカボン」という感じだろうか。製作に関与している会社も「おそ松さん」と近い。バカボンのパパの声は俳優の古田新太が担当。脚本・監督は大人計画所属で実写の深夜ドラマ「おじいさん先生 熱闘篇」や「乾杯戦士アフターV」等を手がけた細川徹。

第1話のサブタイトルは文字通り「ひさしぶりにアニメになったのだ」。家族4人揃ってきちんとした挨拶で始まるのだが、画角は4:3で、標準画質。パパ以外はこの新作の声優だが、何故かパパだけは前作「レレレの〜」の小倉久寛じゃないか! 普通前任者をそのまま担ぎ出すなんて余りしないよね。

YOSHIKI、野沢雅子、ブラックジャック...と「本物」出演が半端ない

そしてバカボンが「僕たちがアニメにならなかった間にいろんなことがあったらしいよ〜」と生々しい台詞を放つ。「こち亀が終了したり、村上先生が何度かノーベル賞を取り逃したり、X JAPANが復活したり...」とバカボンが続けると、パパは特にX JAPANに激しく反応。天井を突き破って「なんということなのだ!わしも入りたかったのだ」とつぶやくと、不釣り合いのスマホで誰かに電話しだす。すると電話の相手はまさかのX JAPAN・YOSHIKI。声は人気声優の三木眞一郎だが、テロップとバカボンの台詞から、本人の許可を取ったが多忙のため声は他の人ということらしい。YOSHIKIも「すいません、許可しか出してあげられなくて」と言っていた。

しかしこれは軽いジャブ。結局X JAPANに入れてもらえなかったパパは、バカボンの台詞で、世の中は18年経ってすっかり変わっているけど、自分たちは何ら変わっていないのに気づく。急に恥ずかしがり始めるパパは、「カップヌードルの謎肉の正体もわかったのに(=大豆)」「おそ松たちも大人になったのに」などと嘆く。ここで火がついたパパは例のごとく暴走し始める。手始めに画角を16:9にし、トレードマークの鼻毛ならぬヒゲを剃り、更に「声優を変える」と自らオーディションを開催。モノマネじゃなく本物の野沢雅子本人も来たが(!)、結局次に来たイケメン声の実在人気男性声優・福山潤に決定。「全然違って、全然いいのだ!」ということらしい。そして次のシーンからマジで福山潤に声優が変更。違和感がすごい。

更に次はCMでおなじみの実在する東京上野クリニックに駆け込むパパ。「わしを『鬼平』のアニメ(2017年テレビ東京で放送)みたいにかっこよくするのだ!そしてバカボンを6つ子にするのだ!」と無理強い。製作会社も全然違う「鬼平」をチョイスするあたりがニクい。当然、東京上野クリニックの医師は「無理ですよ!うちは包茎と性病専門のクリニックですから!」と言い、代わりの医師を呼ぶ。そこで来たのが、まさかのブラックジャック。原作者違うのに...! 声も本家と同じ大塚明夫が担当。結局、ブラックジャックに整形手術をしてもらい、アニメ「鬼平」のように頭身の高いスレンダーな姿に。

バカボンも6人に(どんな手術だ)。しかしここまででまだ半分。その後も、パパは性転換手術で女になって(だから高い声も出来る福山潤だったんだなぁ)、猫ひろしと同じようにカンボジア国籍を取得したり、お掃除をするおなじみのキャラ「レレレのおじさん」をお掃除ロボ「ルンバ」にしたり等やりたい放題。結果ママに叱られ、ようやく本来のこのキャラクターデザインになり、声も古田新太になり第1話終了。

展開も凄まじいが、ちょくちょく入る実在のネタや時事ネタのチョイスが絶妙で、なんとも笑える。ちなみに細川徹監督は自身のツイッターで「1話は特殊な回でしたが、2話も特殊な回です。12回中11回は特殊な回ですので、出来ましたら全話ご覧ください。」とつぶやいていたので、今後もこの調子で期待できそう。

(テレビ東京 7月10日(火)深夜1:40放送)

鯖世 傘晴