性的虐待を告発した体操選手アリー・レイズマンらサバイバーたちがESPY賞を授賞
逆境に直面しつつ勇気を持って行動した人に贈られるアーサー・アッシュ・カレッジ賞(Arthur Ashe Courage Award)。今年はアメリカ体操チームドクターのラリー・ナサール元医師の性的暴行を告発したアリー・レイズマンら140人以上の女性体操選手たちが受賞した。
授賞式には性的暴行を証言した元選手や現役選手たち-体操選手のアリーやサラ・クライン、またナサールが勤務していたミシガン州立大学のソフトボール選手ティファニー・トーマス・ロペスらが出席。プレゼンターのジェニファー・ガーナーからトロフィーを受け取った。
受賞スピーチの中でアリーは「私たちが行動するかしないのか、その影響はとても大きく、何世代にも及びます。この悪夢の最大の悲劇はこれが防げたということです。あなたが行動するか、それとも何もしないか。それが私たちの生きるこの世界を作っているのです。他の人に影響を及ぼすのです。私たちに必要だったのはラリー・ナサールと私たちとの間に立ち上がってくれる誠実さを持った大人でした」。
ハリウッドから始まったセクハラ告発運動「#Me Too」がきっかけとなり、ナサールは起訴され有罪判決を受けた。女性選手たちはこれまでも大人に打ち明けてきたけれど信じてもらえなかったという。虐待者や黙認する人に負けず告発し続けた女性選手たちの勇気を称えるとともに声をあげること、耳を傾けることの大切さを改めて考えたい。
text: Yoko Nagasaka