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欧州連合 (EU)の欧州委員会 (EC)は7月18日 (現地時間)、米Alphabet傘下の米GoogleがEU競争法に違反したとして43億4000万ユーロ (約5700億円)の制裁金を科すと発表した。モバイルプラットフォームAndroidを採用するデバイスにGoogleのアプリをプリインストールさせ、モバイル検索やモバイルサービスにおける公正な競争を阻害していると判断した。独占禁止法違反でECが1社に科す制裁金としては過去最高額だ。90日以内にGoogleが効果的な対策を講じなければ、Alphabetの売上高の最大5%の罰金を追加で科す。

ECは、Googleがデバイスメーカーや通信キャリアに対して以下の3つの制限を設けることで、Andoridを通じて「モバイル検索サービス」「ライセンスを与えられるスマートモバイルOS」「Android用アプリストア」で市場を独占しているとしている。

Googleのアプリストア (Google Play Store)のライセンス条件として、ChromeブラウザとGoogle検索アプリのプリインストールをメーカーに要求。

Google検索アプリのみをデバイスにプリインストールする一部の大手メーカーやモバイルネットワークオペレータにインセンティブ支払い。

Googleのアプリのプリインストールを希望するメーカーが、Google版ではないAndroidフォークを採用するのを妨げた。

AppleのiOSやBlackberryもモバイルOSにブラウザや様々なアプリをプリンストールしているが、それらはハードウェアとOS、ソフトウェアの統合によって自社製品の体験を向上させるものであり、サードパーティのデバイスメーカーへのライセンスは行っていない。サードパーティへのライセンスを通じて大きな市場シェアを握るGoogleとは、ビジネスモデルが異なると指摘する。Googleの場合、ライセンスを通じて多くのユーザーがAndroidを使用し、Androidにアプリを提供する開発者が増え、さらにユーザーが増加するネットワーク効果が、Googleのサービス分野に他社が参入するのを妨げる高い障壁になっているとしている。

ECの判断に対して、Googleはすぐに提訴する考えを示した。しかし、過去にGoogleはブラウザのバンドルについてECを支持したことがある。2009年にWindowsへのInternet ExplorerバンドルのEU競争法違反についてECが調査した際に、Googleは審議に協力。その時にGoogleは、ブラウザはオンラインのイノベーションに不可欠であり、Internet Explorerが独占的にOSに紐付けられているのは、他のブラウザにとって公正ではないと主張していた。