鮮烈なゴールを決めただけでなく、献身的な守備でもファンの心を打ったペリシッチ。モドリッチに匹敵する、クロアチア躍進の立役者だ。(C)Getty Images

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 フランスの優勝で幕を閉じたロシア・ワールドカップは、数多の名ゴール、名シーン、名勝負を生んだ。長く語り継がれる大会となるだろう。
 
 全64試合を終え、FIFA(国際サッカー連盟)が集計してきた全データも最終値に達した。大会全体、チーム、個人とさまざまなデータの「トップ」を紹介していこう。
 
[大会全体データ]
総得点:169点
総警告:219回
総退場:4回
パス成功:49,651本
 
 ここで比較したいのは、1試合平均得点だ。今大会は最終的に「2.64点」となった。歴代では14位だが、64試合制となった1998年フランス大会以降では3番目に高い数値だ(その98年大会と2014年ブラジル大会が2.67点/全171点)。ただ今大会はグループリーグ1節(16試合)を終えた時点では「2.28点」と史上ワースト3位のペースだった。それを考えればよくここまで数字を伸ばしたものだ。
 
[チームデータ]
最多得点:ベルギー代表(16得点)
最多アタック:クロアチア代表(352回)
最多パス成功:イングランド代表(3,336回)
最多クリア、タックル、セーブ:クロアチア代表(301回)
 
 チーム別データではクロアチアの充実ぶりが際立つ。アタックは「攻撃を仕掛けた回数」とやや基準が曖昧ながらトップで、守備全般の総合値でも1位に輝いた。もちろん試合数が多いほど有利とはいえ、クロアチアはファウルをした回数(114回)もファウルをされた回数(105回)もトップ。もっとも“出入りの激しいチーム”だったのだ。

 
[個人データ]
得点王:ハリー・ケイン(イングランド代表) 6得点
最多アタック:ネイマール(ブラジル代表) 27回
最多走行距離:イバン・ペリシッチ(クロアチア代表) 72.5km
最多パス成功:セルヒオ・ラモス(スペイン代表) 485本
最多セーブ:ティボー・クルトワ(ベルギー代表) 27本
 
 ペリシッチは全7試合で632分間プレーし、72.5kmという驚異的な数字を叩き出した。ネイマールとS・ラモスは試合数で考えれば圧巻の値で、大会の「ゴールデングローブ賞」を受賞したクルトワも流石の結果だ。
 
 ちなみにカード別で見ると、ラウンド・オブ16のロシア対スペイン戦の数字が面白い。PK戦の末に開催国が勝利を飾ったゲームは、両チーム合わせてのパス成功数が「1.235本」と凄まじい数字をマーク。ちなみに大会の1試合平均は「775.8本」である。