“穴党”にとって、待ちに待った重賞がやってきた――。7月15日に行なわれるGIII函館記念(函館・芝2000m)のことである。

 それほど、このレースは”荒れる”重賞として定着している。

 1番人気は2006年以来、勝っていない。そのうえ、過去10年の結果を見てみると、ふた桁人気の大穴が馬券圏内に絡んだ年が5回もあるのだ。

 ゆえに、3連単の配当が10万円を超えたことが過去10年で7回もある。特に昨年は、5番人気のルミナスウォリアーが勝利し、2着に14番人気のタマモベストプレイ、3着に7番人気のヤマカツライデンが入って、3連単は91万5320円という高配当をつけた。

“夏のボーナス”を狙うなら、まさにこのレースが最適。そこで、過去10年の結果を参考にして、今年のレースで波乱を起こしてくれそうな穴馬を探し出してみたい。

 まず注目すべきは、オープン特別の巴賞(函館・芝1800m)から挑んでくる馬たちだ。

 例年、2週間前に行なわれる同レースは、函館記念の重要なステップレースとなっている。過去10年において、函館記念本番で3着以内に入った30頭のうち、巴賞組は11頭を数える。

 そのうち5頭は、巴賞で掲示板を外しながら、本番で巻き返しを図っている。2009年に10番人気で2着となったマヤノライジン(巴賞6着)、2016年に13番人気で2着に入ったケイティープライド(巴賞6着)らは、その典型。つまり、前哨戦で振るわなかったとはいえ、無視するのは禁物だ。

 では、今年の巴賞組で穴を開けそうなのは、どの馬なのか。

 最初にピックアップしたいのは、ナスノセイカン(牡6歳)だ。


函館記念に臨むナスノセイカン(手前)

 前走・巴賞(7月1日)では、8番人気で7着。今回はさらなる人気落ちが予想されるが、勝ち馬とはコンマ3秒差と、着順ほどの大敗は喫していない。

 また、3走前のGIII新潟大賞典(5月6日/新潟・芝2000m)でも、勝ち馬とコンマ2秒差の3着と善戦している。その調子を維持していれば、ちょっとした位置取りや展開によって、上位争いに絡む可能性は十分に考えられる。

 ちなみに、先述のマヤノライジンやケイティープライドも、春には重賞で掲示板に乗る好走を見せていた。そういった馬が巴賞を経由して、ここで穴を開けるのは、ひとつのパターン。今年は、ナスノセイカンがその再現を果たすかもしれない。

 巴賞組からもう1頭、狙ってみたい馬がいる。クラウンディバイダ(牡5歳)だ。

 こちらは、2走前に1600万下特別を制してオープン入り。前走の巴賞では7番人気ながら、逃げて4着に粘った。

 重賞となる今回、一層メンバーが強化されるため、オープン入りして間もない同馬の人気が上がることはないだろう。しかし、こういった上がり馬が巴賞を経由して好走したことは過去にもある。

 2016年に9番人気で3着となったツクバアズマオーが、そのいい例。同馬も2走前に1600万下特別を勝って、続く昇級初戦の巴賞で3着と健闘した。そして、その勢いのまま函館記念でも3着入線を果たしている。

 同じような過程を踏むクラウンディバイダは、決して侮れない。馬場悪化による逃げ粘りも目立つレースゆえ、注意しておきたい1頭だ。

 さて、このレースの舞台となる函館競馬場や、同じく北海道にある札幌競馬場は、本州の競馬場とは違う洋芝。時計がかかるなど、力の要る馬場として知られている。

 そのため、函館記念でもそうした馬場に強い馬、実績のある馬の台頭が目立っている。たとえば、先にも触れたマヤノライジンは、2年後の2011年にも12番人気で2着となって波乱を演出している。

 そういった「函館との相性」という点で、面白い穴馬が1頭いる。ブラックバゴ(牡6歳)だ。

 昨年7月に1600万下を快勝して、オープン入りした同馬。そのレースは、今回と同条件の五稜郭S(函館・芝2000m)だった。函館でのレースはこの1度のみだが、相性がいいことは確かだろう。

 それに、2走前のオープン特別・アンドロメダS(2017年11月18日/京都・芝2000m)では、重馬場で快勝。パワータイプであることも、心強い限りだ。

 今回は、およそ6カ月の休養明け。その点が嫌われて人気が落ちるようであれば、ますます食指が動く。休養前のGIII中山金杯(1月6日/中山・芝2000m)でも、粒ぞろいのメンバー相手に4着と奮闘した同馬の一発があっても不思議ではない。 目前に迫った夏休み。海に行くにしろ、山に行くにしろ、宿泊先をワンランクアップさせてくれる馬がこの3頭の中にきっといる。

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