フォルクスワーゲン、グッドウッドにパイクス最速EV「I.D. R Pikes Peak」投入。やはり最速タイム狙う

7月12〜15日に開催される英国の自動車イベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」に、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムを過去最速の圧倒的な速さで制したフォルクスワーゲンのEV「I.D. R Pikes Peak」が登場します。

このイベントのハイライトとも言えるのが、主催者リッチモンド公爵家の敷地内私道を使って行なわれるヒルクライム。厳密な競技とまでは行かないものの、クラシックから最新マシンまで、4輪2輪問わず多彩なマシンが出走してこのモータースポーツの祭典を盛り上げます。I.D. R Pikes Peakも、当然このヒルクライムに出走するはずなので、F1よりも高い加速性能を誇ると豪語するこのマシンが、過去のF1を凌ぐタイムを出せるかに注目が集まりそうです。

ただ、グッドウッドでは2000年にヒルクライムで死亡事故が発生したほか、ジョーダン199をドライブした、このマシンの設計者でもあるマイク・ガスコインが大きなクラッシュを喫したこともあり、それ以降(速すぎる)F1マシンのタイム計測は行なわれなくなっているとのこと。残っているF1の最速記録は、ニック・ハイドフェルドが1999年にドライブしたマクラーレン・メルセデスMP4/13の41.6秒です。

とはいえ、I.D. R Pikes Peakは本質的にヒルクライム専用のEVでもあります。これまでのEV最速記録はローラとドレイソンレーシングが2012年に開発したプロトタイプEVマシンLola-Drayson B12/69 EVが、2013年のグッドウッドで記録した47.34秒。またパイクス勢最速は2013年のパイクス王者で、VWが今年記録を破るまでのレコードホルダーだったセバスチャン・ローブが駆るプジョー208T6の44.6秒。現パイクス王者としては、まずはこれらの記録をきっちりと破っておきたいところです。

ちなみに、グッドウッド・フェスティバルにはテスラModel 3も欧州初登場として参加するとのこと。見た目は普通のセダンでも、2モーターAWDのパフォーマンスモデルなら0-60mph加速は約3.5秒という速さを誇るため、もしヒルクライムなどの走行に参加するならその走りも注目したいところです。