厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第7回:シェーングランツ

 日本はおろか、世界中の競馬ファンから注目されている2歳馬がこの夏、まもなくデビューを迎えようとしている。

 美浦トレセン(茨城県)の藤沢和雄厩舎に所属するシェーングランツ(牝2歳/父ディープインパクト)だ。


ソウルスターリングの半妹シェーングランツ

 母はフランス生まれのスタセリタ。現役時代にヨーロッパやアメリカでGI6勝を挙げ、世界の競馬ファンなら知らない者がいないほどの、稀代の名牝である。

 そして、父は今や世界でも注目される日本屈指の種牡馬ディープインパクト。日本で種牡馬リーディングを独走し続けて、近年では同産駒がヨーロッパのGIでも目覚しい活躍を見せている。

 たとえば、アイルランドの名門エイダン・オブライエン厩舎が管理するサクソンウォリアー(牡3歳)は、昨年ヨーロッパでデビューして無敗のままGI2勝を挙げている。そのひとつは、イギリスのクラシックであるGI2000ギニー(イギリス・芝1600m)だった。

 その後、GIイギリスダービー(イギリス・芝2400m)では1番人気に支持されたが、惜しくも4着に敗れた。

 さらに、フランス調教馬のスタディオブマン(牡3歳)は、フランスのダービーとなる今年のGIジョッケクルブ賞(フランス・芝2100m)を制覇。日本ダービーを制したワグネリアンを含め、今春のクラシックでは、まさに世界中でディープインパクト産駒が旋風を起こしたのである。

 そんな偉大な父と母を持つシェーングランツゆえ、その注目度は世界レベルに達する。加えて、同馬の姉はGIを2勝しているソウルスターリング(牝4歳/父フランケル)。血統的には、非の打ち所がない。

 そのシェーングランツは、7月29日の2歳新馬(札幌・芝1800m)でデビューする予定。すでに調教を重ねているが、スタッフたちはどんな感触をつかんでいるのだろうか。関東競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「シェーングランツはすでに何本も調教をこなしていて、スタッフからは『走る馬の動きで、いいフットワーク』と高評価の声が聞こえてきます。さすがにまだ姉とは比べられないものの、いいものを持っていることは間違いないようですね。普通にいけば、新馬戦は勝ち負けになるでしょう」

 ただ、陣営は「あえて挙げるなら……」というニュアンスで、こんな懸念点にも触れていたそうだ。先述のトラックマンがそれを明かす。

「まだ普段の様子はかなり幼く、近くにいる他馬が動いただけでビクッとすることもあるようです。デビュー戦でコンビを組む北村宏司騎手は、『その辺りをデビューまでに解消できれば』と話していました。スムーズな競馬になれば問題ないでしょうが、ゴチャついたときはその点が気がかりになりますね」

 たしかに気になる点ではあるが、あくまでも小さな不安とのこと。それ以外は、特に不安材料は見当たらないという。成長著しい時期だけに、短い期間で精神面も一気に変わっていく可能性はある。 世界が熱視線を送る1頭。シェーングランツは、北の大地で臨む初陣でどんな走りを見せるのか。今からその瞬間が待ち遠しい。

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