ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 先週から夏競馬がスタートしました。今年は5月に暑い日が続き、その後一度は暑さも弱まったものの、6月中に梅雨明け宣言。以降、猛暑の日が続いて、例年よりも早く夏を感じますね。

 こうなってくると、暑さに弱い馬は急に調子を落としてしまいます。今年の暑さは強烈ですから、そういう馬が多く出てくるかもしれません。

 それを象徴するかのように、先週の福島開幕週では波乱が続出しました。土日の24レース中、60万円超え3本をはじめ、3連単は10万円を超える高配当が計7本も出ていましたからね。

 先週の福島は、日曜日の気温が36度にまで達したようです。バテ気味になった馬も多かったのではないでしょうか。

 僕も現役時には、夏の福島開催を経験していますが、本当に暑いんですよね。盆地なので、そもそも暑さが溜まりやすいのですが、そのうえこの時期は湿気もあって、数字以上の暑さを感じます。

 今週も週の初めは猛暑日が続きました。美浦トレセン近辺でも、最高気温は常に30度を超えていました。暑さが厳しくなると、トレセン関係者は調教を涼しい時間に終わらせたり、厩舎周りを涼しくするような工夫をしたりして、日々暑さ対策を施しています。

 今は、馬運車もエアコンは完備されていて、輸送中の暑さは昔ほど煩わしくありませんが、この週末の福島競馬場は、再び最高気温が30度になると予想されています。曇りか雨の予報でそれですからね、もし晴れたら、先週並みに暑くなるかもしれません。

 そんな状況で行なわれる重賞は、夏の福島を象徴する七夕賞(7月8日/福島・芝2000m)です。

 昨年は最高気温37度という猛暑のなかで行なわれ、ゼーヴィントが優勝。同馬は、前年の同時期に行なわれた重賞、ラジオNIKKEI賞の勝ち馬でもありました。

 やはり、夏場の実績がある馬は頼りになると思います。また、福島は小回りで、特殊なコース形態です。コース実績があるか、もしくは小回りコースにも対応できる器用な脚が使える馬のほうが有利でしょうね。

 そう考えると、昨年の七夕賞で2着に入ったマイネルフロスト(牡7歳)は有力視できる1頭と言えます。

 昨年ほど順調に使えていない点は気になりますが、長期休養明けとなった前走のエプソムC(6月10日/東京・芝1800m)の内容は悪くありませんでした。結果は9着でしたが、先行して一度は勝ち負けの争いに加わって、残り200mまでは馬券圏内に粘っていました。終(しま)いも完全に止まっていたわけではなく、最後まで伸びていたのはよかったと思います。

 長期休養明けの2戦目なので、半信半疑な部分はありますが、使った上積みがあるようなら、昨年同様の走りが見られてもおかしくありません。

 夏場に良績があって、コース実績もある馬と言えば、キンショーユキヒメ(牝5歳)も侮れない存在です。昨年の7月に1000万条件、9月に準オープンと連勝。そして、今春の福島牝馬S(4月21日/福島・芝1800m)を勝っています。

 今回は乗り替わりが気になりますが、新たな鞍上が北村宏司騎手ならまったく問題ないでしょう。昨年もこの福島で、戸崎圭太騎手に次ぐ勝ち鞍を挙げていますからね。

 その戸崎騎手が騎乗するサーブルオール(牡5歳)も有力馬の1頭です。5歳馬ですが、まだキャリアは12戦。「遅れてきた素質馬」といった感じです。

 ただ、この馬の場合、暑さがどう影響するのかは未知数です。夏場の好走実績はありますが、比較的涼しい函館でのものですからね。当日の気配をきちんとチェックしたほうがいいでしょうね。

 さて、このレースの「ヒモ穴馬」ですが、やはり夏場に良績があって、福島での実績があるワンブレスアウェイ(牝5歳)を取り上げたいと思います。


暑くなって、上昇気配がうかがえるワンブレスアウェイ

 ちょうど1年前、この福島で準オープンを勝ってオープン入り。それまでの安定した走りと勢いを考えれば、牝馬限定の重賞くらいはすぐに勝てるだろうと思っていました。

 ところが、昨秋の府中牝馬S(10着。東京・芝1800m)を皮切りに、ターコイズS(8着。中山・芝1600m)、愛知杯(6着。1月13日/中京・芝2000m)、中山牝馬S(11着。3月10日/中山・芝1800m)、そして福島牝馬S(6着)と、重賞では見せ場も作れずに敗戦を繰り返してきました。

 確かに出遅れが多く、流れに乗れないところもあったと思いますが、それにしてもいいところのない負け方ばかり。昨夏の走りは完全に陰を潜めていました。

 おかげで、前走のマーメイドS(6月10日/阪神・芝2000m)では、すっかり人気(9番人気)も落としていましたね。しかし、レースではようやくこの馬らしい走りを見せてくれました(2着)。

 スタートが普通に切れたこともありますが、終いの伸び脚は、いい頃のこの馬のものだったと思います。おそらく、暑くなってきて調子を上げてきたのではないでしょうか。

 過去、2月にも連対実績はありますが、負けているのはほとんど寒い時期。馬にもよるのですが、寒い時期は人と同じで動きが硬くなって、力を発揮できない馬もいるんですよね。もちろん、それだけが原因とは言えませんが、ワンブレスアウェイもそういうタイプなのかもしれません。

 とすれば、暑さは同馬にとって何よりの強み。猛暑だった昨年の福島で勝っていることも、かなりのプラス材料です。好結果が期待できるのではないでしょうか。

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