左から、吉武博文氏、ホルヘ・サンパオリ・アルゼンチン代表監督、西野朗日本代表監督、ユルゲン・クリンスマン氏、マウリツィオ・サッリ・前ナポリ監督。(C) Getty Images

写真拡大 (全2枚)

 ロシア・ワールドカップで惜しくも8強を逃した日本代表の次期監督選びに、注目が集まっている。一部報道では、元ドイツ代表監督のユルゲン・クリンスマン氏の名前が浮上しているが、果たして、ロシアの地で躍動した日本代表をさらに進化させ得る、新監督に相応しい人物は誰なのか? サッカーダイジェスト誌で健筆をふるう4人のライター陣に推奨する監督を挙げてもらった。
 
 
◆加部 究氏(スポーツライター)
 
第一候補:吉武博文
第二候補:アーセン・ヴェンゲル
 
 JFA(日本サッカー協会)は、まず日本の方向性を明確に語れる技術委員長を決め、その方針に則って適任者を探る必要がある。早くも代表監督との交渉を進めているようだが、それでは過去を顧みない拙速になる。
 
 技術委員長が、ロシア・ワールドカップの総括をして、その上で今後の進むべき道を明示する。監督選びは、それからだ。もしロシアでの日本の戦い方が未来を示唆しているなら、西野氏に技術委員長に復帰してもらう方法もあるのでは。
 
 大前提はそれなりに日本サッカーへの知識を備え、世界で戦える可能性を信じ、さらにそのためのアイデアを備えていること。また3度跳ね返されたベスト16以上に進むには、他に例を見ない独自の道を模索していく必要があると思う。
 
***************
 
◆清水英斗(サッカーライター)
 
第一候補:ホルヘ・サンパオリ
第二候補:ユルゲン・クリンスマン
 
 ロシア・ワールドカップで著しく評価を下げたサンパオリだが、アルゼンチン代表は特殊すぎる環境。チリ代表、セビージャ時代を考えれば、日本代表にアグレッシブなポジショナルサッカーを指導できるはず。おそらくアルゼンチン代表は辞任するだろう。チャンスがあれば、お買い得かもしれない。ただ、腕のタトゥーがあまりにも大胆過ぎて、難色を示す向きもありそうだが……。
 
 一方、クリンスマンは候補の最上位に名を連ねている様子。指導者ではなくマネージャーなので、科学志向、データ志向のアプローチが見られそうだが、正直、どのような改革をするのかよく分からない。就任前にプロジェクトをしっかりと話し合う必要がある。また、彼の場合はドイツ時代のレーヴのように指導者として有能なアシスタントが不可欠。セットで判断しなければならない。
 
◆佐藤 俊(スポーツライター)
 
第一候補:マウリツィオ・サッリ
第二候補:西野 朗
 
<推薦理由>
 昨年、スクデットこそ獲得できなかったが、サッリが3年で築いたナポリのサッカーは、非常に魅力的。その攻撃的なパスサッカーの完成度はセリエA随一とも言われる。ワンタッチパスとバックパスを駆使しながら相手の動きをズラし、その隙をついていく。ディフェンスラインは高く、攻守の切り替えも早い。
 
 そのスタイルには日本にも合うし、日本人は技術が高いので、修練すればナポリのサッカーを展開することも不可能ではない。長く下のカテゴリーや弱小チームを指導しており、選手の能力を見極め、チームのポテンシャルを最大限に引き出す能力もある。
 
 第2候補は西野朗現監督。長期になった場合、どうチームビルディングをしていくのか。退任が決まっているが、アジアカップの結果を見た後での判断で良かったと思う。
 
*****************
 
◆西部謙司(サッカージャーナリスト)
 
第一候補:西野 朗
第二候補:手倉森誠または森保一
 
<推薦理由>
 西野監督は退任が決まっているということだが、アジアカップが来年早々にあるので、現行体制のままアジアカップ終了まで継続するのがベストだと思う。その間に、アジアカップ後の監督をじっくり選ぶ。
 
 監督を選ぶにあたって、協会の強化方針が明確でないのはこれまでの大きな問題点だった。10〜20年の長期展望を立てたうえで、それに合った監督を選定していくべき。拙速に次期監督を決め、付け焼き刃のワールドカップ総括で辻褄を合わせるようなことは終わりにしないといけない。
 
 代表監督には経験や実績が必要だが、どんなビッグネームでも強化方針に合致していなければ意味がない。フランス料理の有名シェフを呼んでも作ってもらいたいのが中華料理では意味がないのと同じである。