ミケル・エチャリのベルギー戦レポート>>

「このような形で敗北するというのは、冷たい水を浴びせかけられるようなものだった。”我々は”一度は2点をリードした。その後、同点にされながらも、残り30秒で敵陣でCKを取っていた。それをひっくり返されてしまったわけで、少なくとも引き分けには値したといえる。延長戦を見たかったという強い思いが残った。これは喪失感なのだろうか。うまく結果を飲み込めず、試合の翌日はこのリポートに手をつけられなかった。私は、日本が心に訴える試合をしたと思っている」

 かつてハビエル・デ・ペドロやシャビ・アロンソを育てたスペイン人指導者、ミケル・エチャリは、日本対ベルギー戦後にそう記している。今回も冷静でありながら、情熱のこもったリポートになった。

「日本はサプライズになる」

 大会前からそう予想していたエチャリは、ベルギー戦に挑んだ日本代表の選手たちのプレーをどのように評価したのか?

GK


川島永嗣

川島永嗣
4試合連続の先発。前半、エデン・アザールが左足で打ったシュートを弾いたパンチングはよかった。日本の1失点目は、クロスに対するパンチングが弱すぎた。だが終盤、ナセル・シャドリ、ロメロ・ルカクの決定的シュートを立て続けに防いでいることは見逃すべきではない。

SB


酒井宏樹

酒井宏樹
右サイドでヤニック・カラスコに対応しながら、攻め上がりでチームに深みを与えていた。後半、敵陣深くまで侵入してマイナス気味にクロスを折り返したシーンは秀逸だった。大会を通して、及第点を与えられる出来だった。


長友佑都

長友佑都
グループリーグの3試合は、攻め上がりのタイミングの早さが目についた。しかし、ベルギー戦はそのリスクを冒すことなく、何度か好クロスを供給している。後半、2-1とされた後に大迫勇也へ送ったパスは惜しかった。香川真司、乾貴士との左サイドでの連係は、日本の武器になっていたといえる。

CB


吉田麻也

吉田麻也
前半、相手にペースを奪われるなかで、評価に値するディフェンスがいくつかあった。時間帯によっては、ルカクへの対応と、その背後にできたスペースに入ってくる選手に対するケアに追われた。ただ、チームとしてラインがコンパクトさを取り戻すと、ルカクへの決定的なクロスもブロックしている。


昌子源

昌子源
大会を通して、攻撃に対する積極性が目立った。ベルギー戦も前半にロングシュートを放ち、終盤には思い切って縦パスを打ち込んでいる。しかし、相手に不必要なCKを与えてしまうようなディフェンス面のミスもあり、改善の余地がある。

守備的MF


長谷部誠

長谷部誠
日本にとって長谷部は欠かせない選手だった。ポーランド戦がその証拠だろう。バックラインと前線をつなげ、中盤を強固にしていた。長谷部が下がることで、フォーメーションは4-1-4-1に近くなって、柴崎岳、香川、乾らの間にコンビネーションも生まれている。あえて言えば、少し左サイドに寄りすぎる側面があった。アンカーとしてプレーする場合は、容易にポジションを動かすべきではない。


柴崎岳

柴崎岳
セネガル戦はベストプレーヤーだった。ベルギー戦も、先制点を生んだ原口元気を走らせたスルーパスは卓抜だった。攻撃的なビジョンとスキルに優れ、中盤で長谷部といい関係を作っていた。守備面でも、後半は目を見張るカバーリングがあった。

攻撃的MF


原口元気

原口元気
先制ゴールを決めたシーンでは、柴崎のパスを呼び込み、ヤン・ベルトンゲンの裏を取って、走り勝っている。GKティボー・クルトワと1対1になると、冷静にファーサイドに流し込んだ。理想的なカウンターのフィニッシャーになっていた。大会を通じて、乾とともにサイドのトランジション(攻守の切り替え)で力を発揮していた。


乾貴士

乾貴士
日本の2点目は、香川の落としたボールを正確にコントロールし、右足でファーポストに精度の高いシュートを決めたものだった。大会を通じ、香川とのコンビネーションが光っていた。2人は、攻撃はもちろん守備でも補完関係をつくれていた。


香川真司

香川真司
あらためてスキルの高い選手であると再認識させられた。乾、柴崎、大迫との連係で、日本に多くのチャンスをもたらしていた。守備面でも、中盤に落ちることで厚みをつくり、貢献していた。とにかく前にいく姿勢を示せる選手で、シュートやパスにメッセージ性があった。

FW


大迫勇也

大迫勇也
ベルギー戦の前半は、何度も質の高いポストワークを披露した。総合力の高いFWで、プレスのかけ方が巧妙でうまく、スペースに流れる動きのクオリティも抜群だった。2-1とされた後、右サイドから抜け出そうとしたシーンは、完璧なボールコントロールと体の強さを見せており、ファウルと判定されたのが残念だった。
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