アザールら攻撃的なタレントが揃っている分、守備のバランスは部妙に悪い。(C)Getty Images

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 日本代表は、ベルギー代表を破ることができるのだろうか。
 
 個々の能力を比較すると、どうしても気後れしてしまうが、ベルギーが隙なしのチームかと言われるとそうでもない。攻撃的なタレントを起用すること優先してしまい、攻守のバランスは微妙に悪い。
 
 具体的に守備面ではふたつの弱点がある。
 
 ひとつは左サイドの守備だ。左ウイングバックのカラスコは本来ウイングの選手ながらハードワークしているが、守備的なタスクを完璧にこなしているとは言いがたい。それでなくともウイングバックの選手は、ウイングにつくのか、サイドバッグの選手につくのか難しい判断が求められるシーンが多い。
 
 それを逆手に取り、右SBの酒井宏樹がタイミングのいいオーバーラップでカラスコの裏に抜け出し、左CBのフェルトンゲンを釣り出すことができれば、空いたスペースを原口元気や香川真司が活用し、逆サイドの乾貴士がゴール前に飛び込んでくるという絵図は見えてくる。
 
 もうひとつの弱点は中盤のフィルター機能だ。ベルギーが採用している3-4-3は、2ボランチが広大なスペースをカバーしなくてはならないシステムなのだが、中盤で蓋をできるフランス代表でいうエンゴロ・カンテやアルゼンチン代表のハビエル・マスチェラーノのようなタイプがいない。
 
 ケビン・デ・ブルイネ、アクセル・ヴィツェル、ムサ・デンベレなどの選手たちは、デュエルは強いが、90分間通して縦パスを切り続けるフィルターとしての機能を果たせるタイプではない。
 
 3CBの一角が中盤のエリアをカバーしようとすれば最終ラインの統制は崩れ、ラインを守ること優先すればバイタルエリアで、乾貴士、香川真司など2ラインの間で受けることを得意とするテクニカルな選手たちが前を向くことができる。彼らがゴールに向かっている時に日本にチャンスが訪れることは、グループステージの結果が証明している。
 
 もちろん単純比較すれば、ベルギー代表のほうが優位なエリアやマッチアップは多い。とはいえ、ベルギー代表も多くのタレントを上手く組み合わせることに苦労しており、上記のような穴があるのも間違いない。これらの穴を西野監督が上手く突くことができれば、日本代表がまた奇跡を起こすことができるのかもしれない。

文●内藤秀明