仕事や授業中に眠くなり、効率が低下してしまうことはありませんか。そんなときに、カフェインをうまく活用できれば大きな武器になります。

眠気覚ましに効果的なカフェインの取り方や効果が出るまでの時間、効果が続く時間、摂取できる飲食物とそれに含まれる量などについてご紹介します。

カフェインが眠気覚ましに効く理由

「あ〜ぁ、眠たいな〜」と思った時、あなたの頭の中は「アデノシン」という物質でいっぱいになっています。このアデノシンは、脳細胞が使ったエネルギーの燃えカスです。アデノシンは「睡眠物質」の一つでもあり、これが増えると眠気が強くなります。
 
カフェインは、アデノシンが細胞に作用することを邪魔して眠気を減らします。また、脳の「報酬系」という部分を刺激するので、起きているのが楽しく何となくハイな気分にして覚醒度を上げてくれます。だから、カフェインをとると眠気が減って目が覚めてくるのです。

カフェインの効果が出るまでの時間と持続時間

眠気覚ましにカフェインを使うとき、どのくらいの時間がたったら効果が出るのかと、いつまで効果があるのかを知っておく必要があります。そうしないと、必要なときに眠気覚ましの効果が十分でなかったり、眠りたいときに眠れなくなったりします。
 
カフェインをとると、胃や小腸から吸収されます。吸収の速度は比較的早く、口から入った45分後には99%が吸収されています。カフェインをとってから血液中の濃度が最大になるまでの時間は、条件によってばらつきがあり15分〜120分かかります。
 
たとえば、温かいコーヒーを飲んだ場合、血中濃度が最大になるのは摂取後30分〜1時間です。一方、アイスコーヒーを飲むと胃腸の働きが抑えられるので、吸収が緩やかになって1〜2時間後にやっと最大値に達します。
 
血液中のカフェインの濃度が最高値の半分までに減る時間(半減期)は、健康な人の場合2時間半〜4時間半です。年齢や肝機能で半減期が変化するので、若い人は1〜2時間、高齢者で4〜5時間がカフェイン効果の目安です。

カフェインのとり方

カフェインの効果は、その時の状況によって違いが出ます。カフェインは、眠気を覚まして作業の成績を上げてくれます。この効果は、頭が働かずボ〜っとしているときや疲労が激しいときに、特に高い効果が発揮されます。ですから、朝、目覚めたときにコーヒーやお茶を飲むことは、新しい1日をスッキリした気分で始めるために理にかなっています。
 
昼寝をするときは、目覚めてからカフェインをとるより、昼寝の前にカフェインをとりましょう。カフェインが覚醒効果を発揮するまでには、タイムラグがあります。そのため、昼寝の前にカフェインをとっておくと、目覚めるころに覚醒効果が始まってスッキリ目覚められます。20分ほどの昼寝なら、ホットコーヒーや温かいお茶がお勧めです。冷たい飲み物はカフェインの吸収が遅くなるので、目覚める時間に間に合いません。
 
体内時計の働きによって、午後2〜4時ごろには自然と眠気が強くなります。午後のコーヒーブレイクやティータイムにカフェインをとると、この眠気を減らしてくれます。カフェインとともに、糖分を補給したり明るい光を浴びたり、人と話したりすると、覚醒効果がアップします。
 
日中はパッチリ目覚めていて、夜はグッスリ眠れるのが理想です。夜の睡眠に悪影響を及ぼさないために、眠る時刻の3〜4時間前になったらカフェインをとらないようにしましょう。夜の水分補給には、カフェインレスの麦茶やハーブティーなどがお勧めです。カフェインレスコーヒーにも3%ほどのカフェインが残っていることがあり、注意が必要です。

カフェインが入っている飲み物などとその含有量

カフェインは、コーヒー木や茶木、カカオ木に含まれています。ですから、これらの植物を原料とした製品には、多かれ少なかれカフェインが含まれています。また、たとえばコーヒーでも、豆の産地や種類、お湯の温度、抽出時間、抽出量でカフェインの量が違ってきます。主な飲み物のカフェインの含有量は、次のとおりです。

■コーヒー 1杯あたり

ドリップ: 84〜112mgインスタント: 60〜71mgエスプレッソ: 62mgカフェインレス: 1〜4mg缶入り 100mLあたり: 40〜90mg

 

■紅茶 1杯あたり

ティーバッグ: 27〜40mg茶葉: 8〜30mgインスタント: 20mg

 

■ソフトドリンク

マウンテンデュー 500mL: 100mgコカコーラ 500mL: 45mgペプシスペシャルコーラ 490mL: 49mg

 

■強壮ドリンク

強強打破 50mL : 150mgモンスターエナジー 355mL: 142mgレッドブル エナジードリンク 185mL: 79mgリポビタンD 100mL: 50mg

 

■医薬品 1回分

眠気防止薬: 100〜200mg解熱鎮痛消炎配合薬、総合感冒薬、鎮咳去痰配合薬、
鼻炎用内服配合薬、乗り物酔い防止薬: 20〜50mg

 

ココアやチョコレートは、コーヒーに比べてカフェインが少ないですが、興奮・覚醒作用がある「テオブロミン」という物質も含まれています。夜更かしの子どもや夜にお菓子を食べる習慣がある人は、ココアやチョコレートを過剰にとっていないかチェックする必要があります。これらに含まれるカフェインとテオブロミンの量は、次のとおりです。

■ココア(5オンス=150mLあたり)

ココア: カフェイン 2〜20mg、テオブロミン 75〜150mgミルクココア: カフェイン 1〜15mg、テオブロミン 50〜100mg

 

■チョコレート(1オンス=28gあたり)

ブラック: カフェイン 5〜35mg、テオブロミン 150〜300mgミルク: カフェイン 1〜15mg、テオブロミン 75〜150mgホワイト: カフェイン 1〜5mg、 テオブロミン 15〜25mg

 

とり過ぎると起こる副作用

毎日5〜10杯以上のコーヒー(カフェインにして500〜1,000mg)を飲み続けると「カフェイン中毒」になることがあります。カフェイン中毒になると、頭がスッキリするという段階を超えて、不眠や不安、せん妄、けいれん、不整脈などに苦しめられてしまいます。
 
また、甘い缶コーヒーをたくさん飲んでいる人は、「缶コーヒー症候群」になる危険性があります。缶コーヒー症候群では、高カロリー飲料を多く飲むので肥満になり、のどに付いた脂肪によって起こる睡眠時無呼吸症候群がさらに日中の眠気を増悪させる、という悪循環に陥ってしまいます。
 
妊娠中や授乳中の女性は、カフェインを控えましょう。カフェインは、胎盤を通して胎児に届きます。また、カフェインの成分は、母乳の中にも出てしまいます。胎児や新生児、乳児は肝臓での代謝機能がまだ十分ではないため、カフェインの効果が強く長く続いてしまい危険です。

photo:Getty Images