日本とベルギーによる一戦で主審を務めるマラン・ディエディウ氏【写真:Getty Images】

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海外メディアがセネガル人審判の起用に疑問符

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会は2日(日本時間3日)、日本代表は決勝トーナメント1回戦で優勝候補のベルギーと対戦する。史上初のベスト8進出を懸けた運命の一戦となるが、その大一番のレフェリーに“因縁”のセネガル人審判団が起用されることに、海外メディアは懐疑的な目を向けている。

「FIFAは驚くことに、ベルギーと日本が対決する決勝トーナメントの試合で、セネガル出身のレフェリーを起用することにした」

 こう伝えているのはナイジェリア紙「Vanguard」だった。

 FIFAは日本-ベルギー戦の審判団5人を発表。そのうち主審のマラン・ディエディウ氏、副審のジブリル・カマラ氏とエル・ハジ・サムバ氏の3人がセネガル出身だった。日本とセネガルは1次リーグの同組で、勝ち点、得失点差、総得点で並び最後は「フェアプレーポイント」(警告数)の差で日本が上回り、2位突破を決めた。

「レフリーの質や公正さはどんな国や組織が絡む試合においても揺らがない」

 同紙は、FIFAの審判委員会で委員長を務めるピエルルイジ・コッリーナ氏が金曜日、メディアに対してこのように語ったことを伝えている。

「セネガル出身の3名は、デリケートな状況に置かれている」

「しかし、セネガル出身の3名にとっては、日本がセネガルをグループHで破ったこともあり、デリケートな状況に置かれている」

「FIFAとコッリーナによる危険をはらんだこの決断は、彼らの判定によっては大きな波紋をよぶ懸念もある」

 もちろん、セネガル人レフェリーがどちらかに偏ったジャッジを下すことは、常識的には考えづらい。一方で周囲の見方はどうだろうか。微妙な判定が下れば、何らかの“思惑”が働いたと想像されるケースが出てくるかもしれない。

「彼らの技量面での不安だけでなく、なぜFIFAは彼らに不要かつ過剰なプレッシャーをかける決断をしたのかという点は理解が難しい」と締めくくっている。

 他方で、主審を務めるマラン・ディエディウ氏について、英紙「サン」はこう紹介している。

「1試合平均での2枚しかカードを出さないという点から、ディエディウはロシアW杯において、統計的には最も寛大な審判である」

 過去には2016年のリオ五輪で審判を務めた経歴も伝えている。“寛大な審判”のもとで、素晴らしいゲームが行われることを期待したい。(THE ANSWER編集部)