アザール(10番)の突破力、ルカク(9番)のパワーには警戒だ。(C)Getty Images

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 ベルギー代表を語るうえで欠かせないのが、エデン・アザールの存在だ。チェルシーでも代表でも絶対的なエースとして活躍するアタッカーの怖さは、一瞬の加速で対面するDFを突き放すスピードだ。前を向かせるとまず止められない。173cmと小柄ながら当たりの強さもあるので、スペースがなくとも身体をぶつけながら強引に突破することができる。
 
 幸い対面するのは対人戦に定評のある右SB酒井宏樹だ。ボランチの柴崎岳やウイングの原口元気と連係をとりながら守れば、よほどのことがない限り完全に抜きさられるということはないはずだ。
 
 ただし、アザールは同サイドにとどまり続けるタイプではない。日本からみて右サイドから違うエリアに顔を出した時の対応についてはルールを決める必要がある。
 
 対応策はいくつかあるが、例えばマンマークという選択肢がある。過去にチェルシーと対戦したマンチェスター・ユナイテッドは、中盤のアンデル・エレーラというインターセプトが得意な選手をアザールにマークをさせて、エースを沈黙させた試合があった。同じタスクを長谷部誠あるいは山口蛍に与えるのもひとつの手だ。その場合、彼らがアザール釣られて空けたスペースを誰が埋めるかが焦点になる。トップ下の香川真司にこれまで以上に運動量が求められる試合になるかもしれない。
 
 もうひとり、FWで忘れてはならないのはロメル・ルカクだ。190cm、93kgという巨体とスピードも完備しているスケールの大きなストライカーだ。
 
 裏に抜け出されるとまず追いつけない。仮に並走できて身体をぶつけたとしても一切よろけない。ポストプレーも近年上手くなってきており、縦パスを受けてサイドに散らすこともできる。できるだけ多くの時間、吉田麻也と昌子源のCBコンビでルカクに対応して、チャレンジ&カバーを徹底。裏に抜け出されるシーンをそもそも与えず、ボランチとも連係を取りつつ縦パスを受ける動きも封じることが重要だ。
 
 ただ、均衡した試合でも違いを作れるのがこのFWが脅威なところ。空中戦が滅法強いのだ。凡庸なクロスを強引にゴールにねじ込むことができる。押し込まれてしまい最終ラインが低い位置に固定されるといつかルカクの高さでこじ開けられてしまう。必要以上にハイラインを保つ必要はないが、できるだけボックスの外に追い出す意味でも、クリアした後の押し上げなど、細かいラインの上げ下げが要求される。

 その際、少しでもラインが乱れると前述のルカクの抜け出しの餌食になるので要注意だ。いずれにせよ、最終ラインにとっては非常に集中力が求められる一戦になる。
 
文●内藤秀明