選手とファンを繋ぐ新たなプラットフォームを、あえてW杯期間中に立ち上げた。本田が回答した回数はすでに二桁を超えるハイペースだ。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

写真拡大 (全2枚)

 日本中がワールドカップ熱に沸くなか、Facebook上で斬新なページ「REALQアスリートβ」が立ち上がった。主導するのはなんと、本田圭佑そのひとである。
 
 アイデアとコンテンツは驚愕ものだ。ファンから矢継ぎ早に寄せられる質問を整理し、厳選したうえで、選手に投げかける。それに、真摯に答える。既存のメディアやSNSでは成し得ない双方向型のプラットフォームであり、本田自身が「本物のメディア」の足掛かりにしたいと企画した。それをあえて、ワールドカップの真っ最中に打ち出したのだから面白い。
 
 例えば、「テレビやスタジアムで試合観戦する際に意識していることはありますか?」の問い掛けに対して本田は、「僕の場合は単純にスゲー奴を探してそいつ見ながら、自分と比較したりしながら、あーだこーだ言いながら楽しんで観てます」と返答。さらに「ご自身の報道の中で『これ違うんだけどー^_^;』って思ったことをひとつあげるとすればなんですか?」との際どい質問については、こう切り返している。
 
「先ず、ほとんどのニュースが事実とは違う。でもそれがサッカー選手の宿命っていう古い常識に未だに付き合っているというのが現状ではあります。耐えることはできるし、メンタルも問題ないのですが、事実とは異なるっていう問題はずーっと続いてますね。なので1つ選べっていうのは本当に難しいです」

 ブラウン管やSNSを通してではなかなか聞き出せない、深みあるメッセージだろう。

 
 同ページのインタビューで本田は、ワールドカップという世界最高峰の舞台への熱き想いも明かしている。
 
「W杯に3回出て、あらためて当事者として自分が思うのは、W杯って本当に素晴らしいってこと。小さい頃にW杯を夢にして良かったなと本当に思います。それだけW杯は本当に最高の舞台だと思います。盛り上がること。そして、それぞれの国の威信をかけて戦っていること。そこには競争が存在するんですけど、スポーツという素晴らしいエンターテインメントの中で存在している。人間ってパーティーやお祭りがすきやと思うんですけど、言って見れば世界で一番大きいお祭りのひとつですよね」
 
 ここで、聞き手が「お祭り好きの本田選手としてはたまらないと?」と問いただす。すると素のくだけた「ケイスケホンダ」が登場するのだ。
 
「なんで僕がお祭り好きなのを知っているんですか? 子供のときね、自転車で摂津から横の市のお祭りへとにかくハシゴしていたんですよ。お祭り時期になると、とにかく遠くまで行ってましたね。(そんな)お祭り好きの子供が、世界一のお祭りに出るっていう目標を立てたというね」
 
 選手が発したい言葉を、そのまますべて伝え切れる。普段なら編集側のセンスでカットされそうなものでも、選手本人が強調したかったサイドストーリーやボケなどがあるだろう。いっさいのフィルターが存在しない。それこそが、ファンが真に聞きたい“声”なのだ。
 
 そして本田は、自身3度目のワールドカップへの覚悟をこう明かした。
 
「ホントね、哲学としては、人間成り上がるときはね、段階的じゃダメなんですよ。一気なんですよ。この思いを今日明日、メンバーに伝えたいと思います。50年後に予選を突破できる保証はないんですから、優勝できるときに優勝しいひんとダメなんです。一気に行かないとダメです」

 
 立ち上げから間もないが、プラットフォームには賛同する他の日本代表選手たちも続々と参戦中だ。選手たちの間では「ファンの生の声が聞けていい」「レベルの高い面白い質問が多いね」と評判で、急加速的に輪が広がっている。ファンにしてみれば、「こんなことにも答えてくれるの?」と、まさに夢見心地だろう。
 
 ちなみに本田は「今日の朝食になにを食べましたか?」と問われ、「ごはん、納豆、卵、ソーセージ、フルーツ」と即答している。カザンの地で日本代表の選手たちが日々なにを想い、なにに触れ、どう過ごしているのか。それが違和感なく、すんなり伝わってくる。早くもそんな効果を生み出しているのだ。
 
 この斬新すぎる企画は、ひとまずワールドカップが終了する7月15日までの限定。税込1080円の参加費がかかるが、これを安いと見るか、高いと見るか。微妙な価格設定にも、本田イズムが垣間見える。7月12日午後1時(日本時間)まではキャンセル無料とのことなので、一度覗いてみてはいかがだろうか。