今週から夏の福島競馬がスタート。開幕週を飾るのは3歳馬のハンデ戦、GIIIラジオNIKKEI賞(7月1日/福島・芝1800m)である。

 3歳馬限定でありながら、ハンデ戦。しかも、舞台は小回りコースとあって、ひと筋縄では収まらないレースと言える。

 昨年も3連単は15万円を超える万馬券となり、2013年には同じく3連単が90万円超えの高配当をつけた。穴党垂涎(すいぜん)のレースと言っていい。

 では、具体的にはどういった狙いを組み立てればいいのか。日刊スポーツの木南友輔記者はこう語る。

「ラジオNIKKEI賞は、他の重賞とはやや毛色が違うハンデ重賞と言えます。また、クラシックで好成績を残した馬は、秋に備えて使ってきません。そうしたレースにあって、ここで重いハンデを背負わされるような、中途半端な実力馬は敬遠したいところです。昨年も、トップハンデの57kgを背負わされたサトノクロニクルは6着に敗れていますからね。

 今年で言えば、500万特別の梅花賞(1着。1月27日/京都・芝2400m)で、のちにダービー4着となったエタリオウを退け、前走でオープン特別の白百合S(5月27日/京都・芝1800m)を勝っているメイショウテッコン(牡3歳)ですかね。斤量はトップハンデの56kg。ちょっと手を出しにくいです」

 逃げて結果を出しているメイショウテッコン。開幕週の福島にはぴったりのように思えるが、木南記者はその点についても首を振り、こんな見解を示す。

「実は、過去10年の結果を見ても、なかなか逃げ切りが決まらないレースなんですよ。ですから、人気どころで言えば、デビュー前から陣営の期待が高いフィエールマン(牡3歳)のほうが信頼は置けるのではないでしょうか」

 そのフィエールマンについては、デイリー馬三郎の木村拓人記者も評価する。

「ゲート難がありますし、レースぶりも荒々しく、どちらかといえば、福島向きとは言えないタイプ。ただ、モノが違う可能性も否定できないんですよね」

 とはいえ、両記者が推奨する穴馬は他にいる。

 木南記者は、「前走、平場の500万条件を勝って、ハンデ53kgに設定された2頭に魅力を感じる」という。


ラジオNIKKEI賞に挑むキューグレーダー

「1頭は、キューグレーダー(牡3歳)です。ノーザンファームの生産馬で、馬主がシルクレーシング。前走は1400m戦で素晴らしい反応を見せましたが、未勝利戦を勝ったのは1800m戦ですから、距離面での不安はありません。大跳びで、馬体の迫力も十分です。

 鞍上は、田辺裕信騎手。東京開催では目立った成績を残せませんでしたが、地元・福島に戻っての、彼の手綱さばきが楽しみです。

 前走のレースでは、特別に強い降級馬がいたわけではないのですが、古馬相手に勝っているにもかかわらず、斤量53kgというのは恵まれた感が強いです。美浦で取材していて、これまでにこの馬と一緒に走った厩舎からは『あの馬はすごくいい馬』と評価する声も上がっているほど。楽しみな存在です」

 昨年の勝ち馬セダブリランテス、一昨年の優勝馬ゼーヴィントと、シルクレーシングの馬はこのレースとの相性がいい。さらに、今年はアーモンドアイが牝馬二冠を達成するなど、シルクレーシングの3歳世代が絶好調というのも心強い材料だ。

 そして、木南記者が推奨するもう1頭は、キボウノダイチ(牡3歳)だ。

「前走は、同世代を相手にして逃げ切り勝ちを収めたキボウノダイチ。同馬については、デビュー戦から密かに気になっていました。

 というのも、父バゴ、母の父ステイゴールドという配合は、この馬がデビューする以前に、クリスマス、ブラックバゴと2頭いて、いずれも重賞で好走しているからです。キボウノダイチも昨年末の500万特別・千両賞(2着。阪神・芝1600m)では、ダービーに出走したアドマイヤアルバに先着(千両賞3着)。楽にハナを奪っていければ、粘り込むだけの力を持っていると思います」

 一方、木村記者が推すのは、グレンガリー(牡3歳)。同馬の前走も500万条件ではあるが、こちらは平場ではなく、特別レースのホンコンジョッキークラブトロフィー(6月3日/東京・芝2000m)を勝ち上がってきた。

「ハービンジャー産駒ですが、反応がいいです。キュッと切れる脚もありながら、開幕週の福島向きの先行力も備えています。しかも、前走は古馬相手、それも1000万条件から降級してきた馬もいる中で、自分の競馬をしてきっちり勝利。その内容を高く評価しています」

 グレンガリーは3戦2勝、3着1回と、まだ底を見せていない。加えて、半兄ミトラはGIII福島記念(福島・芝2000m)を2回走って、1勝、2着1回。コース適性を示している血統であることも、大きな魅力だ。

 さらに木村記者はもう1頭、気になる馬がいるという。

「特大の”大穴”として、シセイヒテン(牡3歳)に注目しています。前走の500万特別・八丈島特別(6月16日/東京・芝1600m)では2着に敗れたものの、こちらも古馬が相手で、しかも好メンバーがそろっていました。

 そこで、勝ちに等しいクビ差の2着。それで今回、ハンデ52kgで臨めるのはかなりラッキーです。そんなに速い脚があるタイプではないのですが、いい位置につけられて、ノーマークの存在なので、結構面白いと思いますよ」 連日、30度を超える夏日が続く日本列島。この暑さを吹き飛ばすような波乱を起こして、リッチで快適な日々をもたらしてくれる馬が、この4頭の中にいるはずだ。

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