川島永嗣

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 ロシアW杯グループH対ポーランド戦は0-1で惜敗したものの、無事グループリーグ突破を決めた日本。特に大活躍したのは守護神・川島永嗣だろう。それまでのコロンビア戦やセネガル戦で失態を犯したが、同試合ではビッグセーブを連発。決勝トーナメント進出の立役者となった。

 川島はインタビューで「この2試合、チームにかなり迷惑をかけた。今日は自分がチームを救う番だと思ったので、しっかり仕事ができて良かったと思います」とホッと胸をなでおろした。こうして川島は大舞台で借りを返したが、過去、サッカー日本代表選手の中で“戦犯”と揶揄されるほど大バッシングを浴びた名プレーヤーは多いという。

 「1997年W杯予選において、1993年の“ドーハの悲劇”もあって、期待されていた三浦知良(FC横浜)は、最終予選の初戦こそ大活躍したものの、そこからスランプに陥り、メディアの餌食になりました。また、“天才GK”の異名を持っていた川口能活(SC相模原)は、2008年のW杯アジア3次予選のバーレーン戦でボールをファンブル。それが直接的要因となり負けて、大バッシングを受けています。この他にも“QBK(急にボールが来た)”の柳沢敦などもいます」(スポーツライター)

 代表に招集されてはいるものの、レベルの高い試合で全盛期の動きを見せられず、そのまま代表を外れてしまう選手は多い。しかし、カズも川口も当時30代に突入しており、脂の乗った時期にさしかかっていた。現にカズは、その後、当時所属していたチームで17得点を挙げている。2000年に代表に選出され5試合出場2得点を挙げているものの、2002年のW杯に選手として出場することはなかった。川島のように“借り”を返せた選手は少ないのだ。

 「GKやFWは直接点に結びつくポジションにいるので、批判されやすいのは確かです。土壇場で汚名返上をした川島も凄いですが、彼を信頼して使い続けた西野朗監督にも驚かされます」(同上)

 次回はベルギー戦(日本時間7月3日3:00〜キックオフ)。川島には、初戦と2戦目のミスを帳消しするような更なる活躍を期待したい。