日本の攻撃はすべて香川を経由する、と英紙は捉えているようだ。(C)Getty Images

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 ここまで1勝1分けの勝点4で、ロシア・ワールドカップ・グループHの首位に立っている西野ジャパン。日本中がその快進撃とハイパフォーマンスに沸き返っており、現地時間6月28日の最終戦、ポーランド戦で勝つか引き分ければ、2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出が決まる。
 
 もし日本がグループリーグを突破すれば、ラウンド・オブ16で対峙するのがグループGの上位チームだ。すでに勝ち上がりを決めているベルギー、あるいはイングランド。いずれにせよ、タフなフットボール強国が立ちはだかることとなる。
 
 そこでやや気の早い企画記事を掲載したのが、英紙『The Telegraph』で、ベスト16でスリー・ライオンズ(イングランド代表の愛称)と対戦する可能性がある日本、セネガル、コロンビアの3チームのスカウティングを敢行した。それぞれに長所と短所を洗い出しているのだが、これがなかなか興味深い。

 
 同紙は「ワールドカップの開幕前、日本がノックアウトラウンドに進むと予想した者はほとんどいなかったが、2試合を終えて堂々のグループ首位に立っている」と西野ジャパンを持ち上げ、「初戦でコロンビアを撃破し、アジア勢が初めて南米勢を破るという歴史的快挙を成し遂げた。その勝利がフロックではないことを、続くセネガル戦の印象的なドローゲームで証明してみせたのだ」と評する。そのうえで、以下のように日本のストロングポイントを論じた。
 
「この2試合を見た誰の目にも明らかなのは、日本の絶対的な武器がスピードにあるという点だ。守備から攻撃へと素早く転じ、プレーメーカーのシンジ・カガワ(香川真司)にボールを預ける。4-2-3-1フォーメーションの下、カガワが速さ自慢のウインガー、タカシ・イヌイ(乾貴士)とゲンキ・ハラグチ(原口元気)と巧妙に絡みながら彼らに自由を与え、鋭いカウンターアタックを仕掛けるのだ。最前線にはユウヤ・オオサコ(大迫勇也)が重用されているが、レスター・シティ所属のシンジ・オカザキ(岡崎慎司)という偉大なオプションもベンチに控える」
 一方で、弱点については手厳しい。長所としたカウンターは諸刃の剣で、2試合して3失点の守備陣も不安定さが目立つと指摘する。
 
「確かにカウンターは素晴らしい。だがそのプランAが封じ込まれると、日本はそれに代わる攻撃の手立てを有していない。組織化された守備に対して、ボールポゼッションで揺さぶりを掛けるが、さしたる脅威となり得ないのだ。コロンビア戦がそうだった。相手が10人で圧倒的なポゼッションを誇るも、よりゴールチャンスを掴んでいたのはコロンビアのほうだった」
 
「最終ラインにも不安を抱えている。ディフェンダーのポジショニングが曖昧で、疑わしいのだ。セネガル戦ではサディオ・マネにその弱みを何度も突かれていた。より質の高い攻撃陣を擁するチームと戦えば、痛い目に遭うだろう」
 
 納得しがたい論調ながら、大手英メディアのひとつが西野ジャパンの現状をこのように捉えているのは紛れもない事実。その“弱み”がいまや“強み”に変わりつつあることは、どうやら知られていないようだ。