鮮烈なチームパフォーマンスは世界中から称賛を浴びた。このこと自体に価値があると、プラストウ記者は指摘する。(C)REUTERS/AFLO

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 セネガルとのワールドカップ第2戦は、2-2の引き分けに終わった。もはや誰もこの結果に驚かない。日本代表は、そこまでのレベルに達したのである。成熟しつつある守備ラインと創造性豊かな攻撃。きわめてフェアな結果だと思う。
 
 コロンビア戦と同様に、柴崎岳と長谷部誠の中盤センターが絶妙で、正確な球出しと効果的なサイドチェンジが目を引いた。乾貴士はスペースを見つけるのが抜群に上手く、ドリブルにクロス、フィニッシュと奮迅の働き。最終ラインでも長友佑都の積極的かつ献身的な走りが出色で、吉田麻也と昌子源のCBコンビも高水準の強度を保った。チーム全体の守備意識が高く、ピッチのそこかしこで円滑なコンビプレーがあり、セネガルを上回ったのだ。
 
 西野監督の采配も冴えた。とりわけ勝ち越し点を奪われた後のレスポンスは離れ業だっただろう。まずは本田圭佑を送り込み、その3分後に岡崎慎司を投入する。これでセネガルはパニックに陥った。フォーメーションが4-4-2に変更されたことに対応できず、ただでさえ蓄積していた疲労をさらに増大させたのである。私は思わず手を叩いた。

 
 そしてそのふたりはきっちり2点目に絡んだ。乾の冷静な折り返しに対して、GKと交錯しながら中央で潰れたのは岡崎であり、天性の嗅覚を働かせてボールを待ち受けたのが本田だった。乾、岡崎、本田、さらには西野監督。それぞれの“ゴール”だったと言っていいだろう。指揮官が発したメッセージを完璧なまでにピッチ上で具現化した。こうなってくると、チームは強い。西野ジャパンは、真の力を手に入れつつある。
 
 セネガルはやはり、難しい相手だった。スタイルはいたってシンプルだが、あの瞬時にトップスピードに達する仕掛けと圧倒的な身体的強さ、そこに柔らかなテクニックを織り交ぜてくる。少しでも集中を切らせば一巻の終わりだ。日本は中盤で主導権さえ握ればいずれ、ペースを掴めると確信していたのだろう。チームとしてのクールな振る舞いが、ゲームを優位に進めさせたのだ。
 
 ただ、あの2失点は教訓としなければならない。
 
 1失点目は原口元気のクリアミスと川島永嗣の判断ミスが招いた人為的なもの。サディオ・マネは十分に狡猾だった。川島を擁護するわけではないが、マネが眼前に立って途轍もないプレッシャーを掛けてきたのは想像に難くなく、ベテラン守護神の決断を鈍らせたのだ。キャッチングに出てもしファンブルしていても、マネは確実に仕留めていただろう。
 
 2失点目はセネガルの質の高い連動性を褒めるべきだが、日本はその前に大迫勇也や乾がビッグチャンスをモノにできなかった。フットボールとは残酷で、決めるべき局面でしっかり決めておかないと、エアポケットのように敵にチャンスが転がり込む。優勢な展開がもたらした気の緩みだったと言えるかもしれない。
 
 日本の守備組織はかなり整備され、強度は確実に高まっている。だが西野ジャパンはその発足から数えて1試合もクリーンシートがない。すなわち、失点癖を抱えている。前にも書いたが、「かならず失点するチーム」というイメージは一度ついたら簡単には拭えない。チームの自信に繋がらず、相手にしてみればひとつのギャランティー(保証)になるからだ。ノックアウトラウンドでさらなる躍進を目ざすならば、ポーランド戦では是が非でも失点ゼロにこだわってもらいたい。

 
 キックオフからの30分間、日本がシュートを撃つシーンはほぼなかった。あの時間帯ははよく我慢したと思う。自分たちのリズムで良い連携を構築すれば、きっとチャンスは巡ってくると信じていたのだろう。日本の1点目は、柴崎のロングパス、長友の鋭い飛び出しとゴールへの意識、そこに乾の落ち着いたイメージが結びついた。美しいコンビネーションだったと思う。