乾は34分に貴重な同点ゴールを挙げた。(C)Getty Images

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[ロシアW杯・グループH]日本2-2セネガル/6月24日/エカテリングルク
 
 開始11分でサディオ・マネに先制ゴールを奪われた日本に同点弾をもたらしたのが、乾貴士だ。
 
 34分、柴崎岳のロングフィードから長友佑都が左サイドを抜け出す。やや大きくなったツータッチ目を入れ替わるようにして受けた乾は、即座にゴール方向を向いて右足でフィニッシュ。ボールはサイドネットに突き刺さった。力の抜けた見事なゴールを本人はこう振り返る。
 
「相手のマークの受け渡しが下手だと聞いていたので、狙い通り佑都君が上手く裏に抜け出してくれて、たぶん(長友の)タッチが悪くて自分のほうにきた。最初スルーするか迷ったけど、あの角度だったら佑都君もシュートを打てないと思ったので、自分が持って上手くボール方向に向けた。得意のコースでしたし、思い切って打ってみようかなと」
 
 W杯初参戦の乾にとっては大会初ゴール。「もちろん嬉しい。同点ゴールでしたしね」と笑ったが、その決定力に関しては長く課題と言われてきた。技巧を織り交ぜたドリブルは一級品で、パスを引き出して裏に抜けるセンスもあるが、最後の最後のところで決めきれない印象がたしかに強い。コロンビアとの今大会初戦でも、決定機でフカす場面があった。それは本人も強く自覚している。
 
「決定力がないというのはサッカー人生でずっと言われてきて、自分自身でも分かっている。でも、気にせずにやり続けるしかない。もちろん仲間がチャンスならパスをするのは当然。ただ、自分が打つ時に関しては、最近は自信を持って打てている」
 
 実際、本大会前の最後の強化試合となったパラグアイ戦(6月12日)で2ゴール、そしてこのセネガル戦で1ゴールと結果は出ている。その理由は「本当にないんです。たまたま入っているだけで、これが自分の実力だとは思っていない」と語った乾だが、もちろんゴールの持つ価値は重々承知している。
 
「こういう短期間の大会でゴールが入ることは良いことで、ちょっとでも日本のためになるのであれば、それはそれで自分としては光栄なこと。それを続けていければいいかなと」
 
 とはいえ、「そのあと2点目を取るチャンスもありましたし、あの1点に満足はまったくしていない。後半にあった2点目を取るチャンスで決めないと、こういう結果になってしまう。そういうところでも迷惑をかけてしまったなという思いがある」と課題も口にした乾。ラウンド・オブ16進出が懸かった6月28日のポーランド戦でも、決定的な“一発”に期待したい。
 
取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)