「イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ ─」国内12年ぶりの回顧展、東京オペラシティで開催

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展覧会「イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ ─」が、2018年7月14日(土)から9月24日(月)まで東京オペラシティ アートギャラリーにて開催される。

イサム・ノグチ国内12年ぶりの回顧展

20世紀を代表する芸術家のイサム・ノグチは、2018年で没後30年を迎える。詩人・野口米次郎とアメリカ人の母親の間に生まれ世界文化を横断しながら生き、彫刻をはじめ、舞台美術や家具、照明器具のデザイン、陶芸、庭、ランドスケープ・デザインまで、幅広い制作活動に取り組んだ。国内で12年ぶりの本格的な回顧展となる「イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ ─」では、国内外の80点超の作品を通して、イサム・ノグチ芸術の全容に迫る。

特に、抽象彫刻の分野で制作を行う中で、ノグチが意識し続けた「身体」と、その意識から派生した「空間の彫刻」すなわち庭園への情熱に焦点を当て、作品を紹介する。

身体性への問い

ノグチの制作活動において重視されていた「身体性」への問いかけは、彫刻、ドローイング、舞台美術など、初期の作品から既に表れている。20代前半の時に20世紀彫刻の開拓者であるコンスタンティン・ブランクーシに師事し、抽象的な造形を学んだノグチは、20代半ばで身体素描の大作《北京ドローイング》の数々を手掛ける。

《北京ドローイング》では、毛筆と墨によって身体のボリュームやエネルギー、運動感覚をダイナミックに描き出し、力強く表現。制作の根本に身体性への問いかけを常に持つノグチ芸術の出発点ともいえる作品だ。「イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ ─」では、国内初の試みとして、8点の作品を一堂に展示する。

日本との再会&日常の中の彫刻

ノグチは、戦後1950年に来日すると、日本の暮らしや伝統、歴史、社会に向き合いながら、建築家の谷口吉郎、陶芸家の北大路魯山人ら多くの芸術家と交流。彫刻作品だけではなく、家具、照明デザイン、建築インテリア、庭園など社会や生活の中で機能する作品にも目を向け、より多彩な制作活動に取り組むようになる。

来日早々、谷口吉郎と協力し手掛けたのが、慶應義塾大学の《萬來舎》。《萬來舎》は、建築、インテリア、工芸、彫刻、庭を含む総合的な造形空間であり、慶應義塾で長く教鞭を執った父・野口米次郎の記念室および、戦没学生のモニュメントとして機能した。また、岐阜県の伝統的な灯篭に着想を得た光の彫刻《あかり》もデザイン。現在も照明器具として愛される《あかり》からは、生活と芸術の繋がりを追求したノグチの普遍性を読み取ることができる。

身体と大地

ノグチは最晩年に至るまで、庭、公園、ランドスケープなど、“大地”を素材とする作品を制作。庭に関わる制作活動は、「彫刻」を「大地」に結びつける試みであり、同時に重力によって大地に縛り付けられた人間の「身体」と向き合うことでもあった。日本庭園から着想を得た《チェイス・マンハッタン銀行プラザのための沈床園》は、その静寂な佇まいによって人々が憩うことができる空間を創出した作品だ。

また、ノグチの後半生を代表する、玄武岩や花崗岩を使った石の彫刻作品の数々にも注目したい。ノグチは、地球の歴史や自然の摂理を物語る物質として石と向き合い、石の彫刻作品を通して、人間の心・身体と大地の関係性を、空間や時間の視点から問いかけている。《アーケイック》や《空間のうねり#2》など、シンプルながらもエネルギッシュな表情の作品を残した。

詳細

イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ ─
Isamu Noguchi: from sculpture to body and garden
期間:2018年7月14日(土)〜9月24日(月)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー(3Fギャラリー1, 2)
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
開館時間:11:00〜19:00(金・土は11:00〜20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(但し祝日の場合翌火曜日)、8月5日(日・全館休館日)
入場料:一般 1,400(1,200)円、大学・高校生 1,000(800)円 ※中学生以下無料
※同時開催「収蔵品展063 うつろうかたち ─ 寺田コレクションの抽象」、「project N 72 木村彩子」の入場料も含む。収蔵品展入場券200円(割引は無し)もあり。
※()内は15名以上の団体料金、障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
※Arts友の会会員は無料(会員の提示必須)。
※割引の併用および払い戻し不可。

【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:03-5777-8600
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