荒れる気配が漂うレース──上半期の総決算となるGI宝塚記念(6月24日/阪神・芝2200m)は、そんな表現がぴったり当てはまる一戦だ。

 というのも、古馬の中・長距離戦線を引っ張ってきた”王者”キタサンブラックが引退。さらに、今春のGI大阪杯(4月1日/阪神・芝2000m)を制して「次期・王者候補」と目されるスワーヴリチャードもこのレースを回避し、誰もが認める”主役”が不在の状況にあるからだ。

 しかも、今回実績上位となるサトノダイヤモンド(牡5歳)やキセキ(牡4歳)といったGIホルダーは、いずれも近走は精彩を欠いている状態。昨年の覇者サトノクラウン(牡6歳)も、海外帰りで万全とは言い難く、まさに”荒れる”雰囲気が充満している。

 ならば、思い切って穴馬券を狙っていくべきだろう。そこで今回も、過去10年の結果をヒントにして、波乱を起こしてくれそうな激走馬をあぶり出してみたい。

 ここ最近の結果を見て、すぐに目につくのが、牝馬の強さだ。5年連続で3着以内に絡んでおり、2015年には10番人気のデニムアンドルビーが2着、11番人気のショウナンパンドラが3着に入って、3連単は52万8510円の高配当となった。

 また、2016年には8番人気の牝馬マリアライトが優勝。夏のグランプリは、とにかく牝馬が強いのである。

 つまり、牝馬が出走すれば”買い”。今年も、ヴィブロス(牝5歳)とスマートレイアー(牝8歳)の2頭は、確実に押さえなければいけない。

 ヴィブロスは人気が予想され、穴とは言えないが、前述のとおり宝塚記念における牝馬の強さを考えれば、無視はできない。馬券の中心として考えなくとも、ヒモには入れておきたい存在だ。

 片や、”オイシイ”のはスマートレイアーだ。8歳のベテラン牝馬だが、昨秋のGII京都大賞典(京都・芝2400m)を勝って、年末には海外GIの香港C(シャティン・芝2000m)で5着と奮闘するなど衰えは感じられない。

 前走のGI天皇賞・春(4月29日/京都・芝3200m)でも、初挑戦の長距離戦で後方15番手から追い込んで7着。勝ち馬とはコンマ6秒差と、着順ほど負けてない。

 8歳となって、もはや「伸びしろはない」と見られて、今回も人気が上がることはないだろうが、調子は決して悪くない。牝馬が強く、それも人気薄馬が台頭しているこの舞台なら、一発あっても不思議ではない。

 続いて着目したいのは、ステップレースであるGIII鳴尾記念(阪神・芝2000m)からの参戦組だ。

 2015年に6番人気で勝ったラブリーデイは、鳴尾記念を制してここに挑んだ。また、2014年に9番人気で2着となったカレンミロティックも、鳴尾記念4着からの転戦。その他、2012年に6番人気で3着に入ったショウナンマイティ、2013年に5番人気で2着に食い込んだダノンバラードも、同じローテーションだったのである(前者は鳴尾記念2着、後者は同3着)。

 春の古馬GI戦からステップしてくる馬と比べて、鳴尾記念からの参戦馬はどうしても評価が低くなりがちだ。しかし、このレースからの参戦組は上り調子にあるため、軽視は禁物なのだ。

 そして、今年も鳴尾記念を勝って、ここに挑む馬がいる。ストロングタイタン(牡5歳)である。過去のデータからして、この馬を狙わない手はない。


宝塚記念と好相性のステップレース、鳴尾記念を勝ってきたストロングタイタン

 昨年までは、オープン特別で2着に入るのが精一杯だったストロングタイタン。だが、年明けからの5カ月の休養が奏功したのだろう。復帰初戦となった2走前のオープン特別こそ9着に敗れたものの、ひと叩きされての鳴尾記念では好位から最内を抜け出して重賞初制覇を飾った。

 しかも、勝ちタイムは1分57秒2のレコード。従来の記録をコンマ4秒も更新し、今や伸び盛りにある。

 今回は初のGI戦。同馬より実績で勝るメンバーが集結する。さらに過去と同様、メンバーが手薄な鳴尾記念からの参戦ゆえ、その評価は高くないが、鳴尾記念組が好走を繰り返してきた歴史を踏まえれば、上位争いに加わる可能性は十分にある。

 最後にピックアップしたいのは、勢いに乗る好調馬だ。宝塚記念では近走で結果を出している上がり馬が、実績馬を退けて好走するシーンが目立っている。

 例えば、2008年に5番人気で逃げ切り勝ちを収めたエイシンデピュティは、年明けにGIII京都金杯(京都・芝1600m)を勝つと、続くGIII東京新聞杯(東京・芝1600m)では7着に敗れたものの、その後は当時GIIだった大阪杯で2着、GII金鯱賞(中京・芝2000m)で1着と波に乗っていた。

 また、先述した2012年の3着馬ショウナンマイティも、2走前にGIIだった大阪杯で初の重賞制覇。続く鳴尾記念でも2着と好走し、上り調子にあった。

 とすれば、今回も実績にかかわらず、勢いに乗っている馬が狙い目。面白いのは、パフォーマプロミス(牡6歳)だ。

 同馬は昨年12月にオープン入りしたばかりだが、その直後にGII日経新春杯(1月14日/京都・芝2400m)に挑戦。好位から抜け出して快勝し、一気に重賞タイトルをものにした。

 その後、4カ月半の休養を挟んで、前走はGII目黒記念(5月27日/東京・芝2500m)に出走。ここでも勝ち馬からコンマ1秒差の3着と健闘し、重賞でも安定した結果を出せる力があることを示した。

 この軌跡は、好調なうえ、上がり馬であることの証。GI戦となれば、実績馬に人気を譲ることになるだろうが、現在の勢いを生かして、そのまま頂点に上り詰めてもおかしくない。 上半期の総決算。なんとしても”お宝馬券”をゲットして、その後に訪れる夏休みで豪遊したい。ここに挙げた4頭が、その資金調達の手助けをしてくれるに違いない。

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