「政策立案にもスピードと質が重要」と語る鈴木崇弘室長(撮影:宗宮隆浩)

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自民党は、12月下旬を目標に、党独自のシンクタンク創設を目指している。従来の官僚中心の政策立案システムを見直し、長期的視点に立った研究を推し進め、政策に党員や有権者の意見を反映させる。党改革実行本部シンクタンク準備室の鈴木崇弘室長(法政大学大学院・兼任講師)は「これからは日本も専門性を生かした政策立案を行うべき。時代は変わり、政策立案のスピードと質を上げていかなければ国際競争には勝てない」とシンクタンク設立の意義を語る。

 同党のシンクタンクは、党内組織ではなく、別法人として独立採算制を目指す。党とイデオロギーは共有するが、最低限の独立性は担保するという。党内組織では政局などの影響を受けやすいためで、常勤研究員らを中心に、本格的な政策研究に取り組む。組織は「研究部門」と「政策コミュニケーション部門」に分かれ、1月からプロジェクトをスタートする予定。研究成果は、選挙での党の政策支援やマニフェストに生かす。

 なぜ今、シンクタンク創設なのか。鈴木室長は、新しい時代に向けた政策形成システムの再構築を挙げる。「今年は、戦後60年、自民党結党50周年など、今までの歴史を総括するステージ。政治や政策立案のやり方を考え直さなければいけない。霞ヶ関の官僚は優秀だが、2〜3年で人事異動してしまうため、専門的な職員が少ない。米国をはじめ海外では、研究員が同じ分野で研究を継続できるので専門性が高くなる。そのため、政策立案のスピードと質が高くなる。今のシステムだけでは不十分だ」。

 米国の「ヘリテージ財団」や「ブルッキングス研究所」などをモデルとしている。だが、同党のシンクタンクは、専門研究だけではなく、研究過程や成果を党員や有権者に公開し、幅広く意見を集めて政策に反映させることも試みる。それを担うのが「政策コミュニケーション部門」だ。「数年に一度の選挙だけでは、有権者の意思表明の場が足りない。有権者がシンクタンクに意見を言ったり、逆にシンクタンク側から有権者に投げかけたりして、双方向のやりとりを活発にしたい。こうした政策的対話で有権者とシンクタンクの距離感を縮めたい」。

 ただ、自民党は調査会、部会で政策形成を行ってきた経緯があり、党内に反発もある。それについては「部会は部会でやられると思う。ただ、部会は省庁別に作られている。こちらは、党内ではできない、長期的、省庁横断的な研究を進めたい」と語った。

 同党では、21日にシンクタンク設立記念シンポジウムを行う。【了】

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