VARの結果、PKを取られたオーストラリア。写真:Getty Images

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 オーストラリアは立ち上がりからシュートの嵐を浴びる。2分、エムバペにニアサイドから強烈な一発を見舞われると、4分にポグバにFKを直接、6分にはグリエーズマンに右足ボレーを打ち込まれるなど、劣勢を強いられた。
 
 前半の10分過ぎからボールを保持する時間帯があっても、フランスの組織立った守備の穴を見つけられず、後方でのボール回しにほぼ終始する。17分にムーイのFKからフランスのオウンゴールを誘いそうになったが、その後もフランスの壁はなかなか崩せなかった。
 
 ただ、フランスが圧倒していたわけでは決してない。オーストラリア陣内に攻め込みながらも、決定機を作れずにいたのだ。31分にグリエーズマンがGKと1対1になりそうな場面ではオーストラリアのCBセインズベリーに阻止されるなど、ゴールが遠いように見えた。
 
 押し込まれながらも落ち着いていたのはオーストラリアではなかったか。相手は優勝候補のフランス。負けて元々の試合で早い時間帯に失点しなかったことが前半の膠着状態を作る要因のひとつだったかもしれない。

 前半だけを振り返れば、決定機はひとつずつ(フランスは2分、オーストラリアは17分の好機)。その数だけ見れば互角の展開だった。
 
 オーストラリアがフランスを相手に善戦できた理由のひとつが、フランスの3トップの一角に入ったグリエーズマンへの対応。ミリガンとセインズベリーの両CBがフリースペースを極力潰し、彼へのパスコースも消したことで最後の一線を割られなかった。
 
 50分過ぎにリズドンがグリエーズマンを倒したとして、ワールドカップ史上初めてVAR(ビデオアシスタントレフェリー)の判定でジャッジが覆り、PKを献上。これをグリエーズマンに決められ、58分に先制を許してしまったオーストラリアだが、その4分後にウンティティのハンドで得たPKをイェディナクがモノにしてすぐさま追いつく。
 
 一度は“VARの餌食”になるものの、値千金のPKで追いついたオーストラリア。黄色のサポーターの大声援に後押しされたチームは一度失いかけた流れをあっさりと取り戻した。なかなか連動した攻撃を繰り出せないフランスに対し、オーストラリアはじっと耐えていたが、しかし──。
 
 終盤の81分、ポグバのラッキーパンチとも言えるシュートがゴールラインを割ったとして、フランスに再びリードを奪われてしまった。勝点1でも十分だった試合で、結局のところ敗戦。善戦してもポイントが入らない厳しい現実を、このフランス戦でオーストラリアは突きつけられた。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)