ただし、前述のような気象病のメカニズム以上に、久手堅院長が根本的な原因と考えているのは骨格の歪みだという。
 「私は頭痛やめまい、しびれ等を主に診る神経内科が専門ですが、たとえば、頭痛には片頭痛と緊張性頭痛の2種類があります。日々患者さんと接していると、どちらも骨格の歪み、ひいては自律神経が関係している。それは、首こりや肩こりも同様です。現在のビルは免震構造で、地震に対し揺れて耐える構造ですが、ひと昔前のビルは耐震構造で、揺れずに硬い状態を維持する構造になっています。人間の理想的な姿勢は、耳たぶ、肩、腰、膝、踝が横から見た時に一直線で、背骨がS字のラインを描いていること。その姿勢で免震構造のように自然と揺れるようになっているのが理想なのですが、頭痛や気象病に悩む患者さんたちの多くは、理想的な姿勢でない上に、耐震構造のように硬くなっている状態なのです」(同)

 骨格の歪みを正すためには、日常生活を見直すことが重要だという。たとえば、座る姿勢。一般的に男性の場合、股を開いて座りがちだがそうではなく、まず土踏まずを首幅に合わせて立つことが正しい立ち姿勢で、そのままスクワットをするように腰を下ろし座ると、骨盤が立った正しい座る姿勢になるという。
 また、肩こりや頭痛、気象病などの自律神経の乱れが気になる人は、耳たぶを水平方向へ5〜10秒ほど数回引っ張ったり、耳たぶの後ろにある骨の凹みを斜め上へ30秒ほど押すのも、セルフケアとして効果的だそうだ。

 そして、もちろんパソコンやスマートフォンなどを長時間使用しないことも大切。
 「就寝直前まで、スマートフォンなどを手放せない方がいますが、それらが発するブルーライトは脳を覚醒し睡眠の質を下げると言われています。就寝の1〜2時間前からそれらの機器の使用を避けるのが理想的。ブルーライトは、睡眠だけでなく自律神経にも影響すると言われています。最近では、肌のシワやたるみの原因になるとも報じられました。そのような症状を緩和するために、ブルーライト軽減メガネや目薬も出ているので、利用しましょう」(健康ライター)

 生活を見直して、だるさを吹き飛ばそう。